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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 品質コストの話 (管理会計、コストマネジメント/丸田起大)

品質コストの話

丸田起大 管理会計、コストマネジメント

15/12/02

 今日は「品質コスト」についてのお話です。
皆さんの会社では自社の製品やサービスの品質を管理するために様々な取り組みが行われていると思います。例えば、不良品やサービスのミスが生じないように社員に研修を受けさせたり、マニュアルを整備したり、機械や設備のメンテナンスを定期的に実施するなど不良やミスをあらかじめ予防しようという活動があります。不良やミスを予防する為にかかるコストは「予防コスト」と呼ばれます。
 こうした予防活動が効果を上げているかというのは、検査をしてみないとわかりません。例えば作っている途中でサンプルの抜き取り検査をするとか、出荷される前に製品の最終検査をするなど、業務プロセスの様々な段階でたくさんの検査活動が行われています。このように、製品やサービスの品質の状態を基準に照らし合わせて評価するためにかかるコストを「評価コスト」と呼びます。
 しかし、それでも不良やミスが起きてしまった場合はそれに対処しなければなりません。不良やミスがお客さんの手に渡る前に見付かったのか、それともお客さんの手に渡ってから見付かったのかによって、その対応は大きく変わってきます。
 お客さんの手に渡る前にミスが発覚した場合は、製品を手直ししたり、または製品を廃棄し新しく製品を作り直す必要があります。このようにお客さんの手に渡る前、つまり不良やミスがまだ会社の内部にある段階で発覚した場合にその対処にかかるコストを、「内部失敗コスト」と呼びます。しかし、お客さんの手に渡った後に発覚した場合は、勿論お客さんから製品を回収し取替える必要がありますし、その不良やミスでお客さんのところで事故やトラブルが起きた場合は、それによって生じた損失の補償が必要になります。このようにお客さんの手に渡った後、不良やミスが会社の外部に出てしまった後の製品の回収や補償に掛かるコストを、「外部失敗コスト」と呼びます。「外部失敗コスト」は、会社の評判を落としお客さんからの信頼を失ってしまうことにつながる可能性があり、その損失は計算が出来ません。そのため、こうした事態は避けなければなりません。
 このように、品質を管理するためには、大きく4種類のコスト、(予防コスト、評価コスト、内部失敗コスト、外部失敗コスト)があります。最悪の事態を避けるためには、品質に関連しているコストを分類してこれらの間にどんな関係があるかということを分析する必要があるということになります。例えば、不良とかミスを見つけるために検査活動をしっかりやる、つまり評価コストをしっかりかけることが大切です。そうすることで、不良やミスが会社の外部に出ることを食い止めることができ、評価コストをかけることで外部失敗コストを減らすという効果があります。また、不良やミスの発生そのものを予防しようという活動をしっかりやる、つまり予防コストをしっかりかけるということをすれば、不良が出る確率を下げることができるため、検査も最低限のもので済みますし、不良品の手直しも少なくなるため、予防コストをかけることで評価コストや内部失敗コストが下がるという効果が期待できます。
 このように、予防コストや評価コストをしっかりかけておけば失敗コストを減らすことができ、その逆として、予防コストや評価コストをケチっていると失敗コストが増える原因になるという関係を「トレードオフの関係」と言います。上述のように4つに分類した、「予防コスト」「評価コスト」「内部失敗コスト」「外部失敗コスト」の間には、トレードオフの関係が成り立っているのです。
先程お話ししましたように、外部失敗コストは計算できない損失を含んでいるため、早い段階でしっかりコストをかけて不良品を外に出さない、ということがとても大切です。品質が高いというイメージがある会社がありますが、そういう会社は「予防コスト」をしっかりかけているという特徴がありますし、また予防コストの中でも「教育コスト」を非常に重用視して掛けていると言われています。
この「教育コスト」は社員に専門知識や品質意識を身に着けさせる教育を含みます。今回品質コストの話をしましたが、この話を学んだということは、もう既に会社にとってタダで予防活動をしてくれているというような意味がありますので、今回の話を是非活かしてほしいと思います。

 今回のまとめ:品質を高めるためには、不良が出てから見つけて対処するということではなくて、不良が出ないように、教育とかメンテナンスなど、日頃から予防のためにしっかりとコストをかけておく必要があるというお話でした。

分野: コストマネジメント 管理会計 |スピーカー: 丸田起大

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