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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラ哲学から見た従業員モチベーション向上の7つのカギ5 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラ哲学から見た従業員モチベーション向上の7つのカギ5

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

15/12/17

【テーマ:京セラ哲学から見た従業員のモチベーションを向上させるための7つの鍵】
⓪概要 ①パートナーとして迎え入れる、②従業員に心底惚れてもらう、③仕事の意義を説く、④ビジョンを高く掲げる、⑤ミッションを確立する

1 はじめに
このシリーズでは、「京セラ哲学から見た従業員のモチベーションを向上させるための7つの鍵」とい
うテーマでお話ししています。これは、稲盛和夫『従業員をやる気にさせる7つのカギ』という著書をベースにしております。今日はその5番目の「ミッションを確立する」というお話をします。

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2 ミッションの確立と会社の使命の2側面
会社において、従業員のモチベーションを向上させるための具体的な手段の1つとして、「会社のミッション」すなわち会社の使命・目的を明確にするということが重要です。この場合、会社を何のために経営しているのかというと、次の二つの側面つまりパブリックな側面とプライベートな側面があります。第1のパブリックな側面というのは、「社会貢献」です。ここで、社会貢献とは、会社でいうと品質の良い財貨サービス(商品、製品、あるいはサービスなど)を適切な価格で社会に提供するということです。他方、第2の側面として、会社も儲けないと存続できないので、適正な利益を追求します。このような二つの側面がありますが、従業員のモチベーションを向上させるために、その前提として、会社は何のためにあるのかという会社のミッション・使命・目的を明確にすることが大切です。

3 京セラの経営理念
京セラの場合は、それは、日本的・大家族主義的なミッションであり、第1のミッションは、「従業員の生活を守ること」と考えています。通常、欧米などでは「株主のため」といいます。しかし、京セラでは、株主のために会社があるのではなくて、従業員の生活を守るためにあるということを、会社の経営理念として挙げています。より具体的には、「従業員の物心両面の幸福を追求する」という理念です。そして、第2の側面として、企業を公器と考え、企業の社会的責任として「社会の進歩発展に貢献する」という理念が後半に続いています。
今お話しているのは、従業員のモチベーションを高めるためのお話をしているわけですが、前者の「従業員の物心両面の幸福を追求する」ということを会社のミッション・使命として言われた場合、従業員はどう思うでしょうか。
従業員のために会社経営を行っているものと感じると、従業員として非常にモチベーションが上がります。モチベーションが上がって、自分も「会社のために」、そしてその先に「社会のために」働こうという気持ちになります。

4 株主や顧客ではなく、従業員重視
経営者は、まず社会に良い商品・サービスを提供して、その見返りとして適正な利益を稼ぐということにその役割があるので、この側面から重きを置くのは、顧客だとは思います。まずはそこをしっかりと行う。すなわち顧客のために商品・サービスを提供するということによって、反対給付として適正な利益が得られるわけです。このように、通常、顧客重視とよく言いますが、京セラの場合、初めから顧客重視ではなくて、従業員をしっかり会社が守るというところのミッションをおいています。こうすれば、従業員も自分たちが大事にされているので、仕事をサボってはいられないなということで、モチベーションが上がって、顧客サービスの質も高まり、ウイン・ウイン関係が出てきます。その結果として利益が上がれば、株主に対する配当や株価も上がってくるという好循環が始まります。

5 使命設定上の条件
このように、従業員を大切にすることによって、従業員のモチベーションを向上するためには、企業の使命・目的を設定する上で重要な条件というのが大きく二つあります。第1は、企業の目的が私利私欲などプライベートな側面だけではないということです。そして第2は、その裏側として、会社の目的が公のためにあるという点です。このことは、会社のミッションは、世のため人のためであるということの裏表を言っているわけです。従業員も社長個人だけが儲かっていると思うと、あまり一生懸命働こうというモチベーションが上がりません。

6 大義名分
そのため、個人の私利私欲のためではなく、社会のためになるというような会社のミッション・大義名分が重要となります。このように、会社の従業員のモチベーションを向上させて、それが会社の発展につながっている具体例として、京セラでは、例えば、ソーラーエナジーの事業があります。この事業は、京セラが何十年も前から行っている事業ですが、最近非常に社会的な注目を得ています。まずこの事業についての大義名分は何かというと、何十年も前からエネルギー問題や地球環境問題は言われているわけですが、そこに目を付けて石油や石炭等の化石燃料の使用量を削減し、温室ガスの排出量を削減して、地球環境を保全し、温暖化防止をするという大きなミッションのために、ソーラーエナジーの事業開発をしています。この事業は、最初の頃は赤字が続きましたが、何とか工夫を重ね、今日のように黒字部門に成長しています。これもやはり会社のミッション・使命・目的として、大義名分のある公明正大なものを掲げて、従業員に共感を得てもらい、モチベーションを向上させ、その結果として会社を発展させて来ているということに繋がっています。

7 むすび
従業員のモチベーション向上のためには、会社のミッション・目的として、私利私欲でない、大義名分のあるものを設定することが重要であるというお話しでした。

〔参考〕稲盛和夫『従業員をやる気にさせる7つのカギ』

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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