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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アイデアを疑い倒せ! (経営戦略、イノベーション、サービス経営/山口英彦)

アイデアを疑い倒せ!

山口英彦 経営戦略、イノベーション、サービス経営

15/11/30


今日は「最初に思いついた戦略のアイデアはとことん疑おう」というテーマでお話します。

戦略を作る上で、良いアイデアは欠かせません。特に新規事業や新製品開発に踏み込もうとする場合、「こういう製品やサービスを世に送り出したい」というアイデアが最初にないと、戦略作りに本腰が入りません。

ただしアイデアの生き残り率が低いのも事実です。自分の経験ですと、100個のアイデアが出されたら、そのうち戦略検討に値するのはせいぜい5つくらい。そのうち1つか、2つが最終的な事業化に耐えうるアイデアです。
つまり100のアイデアのうち、95個は戦略検討の俎上に載せるまでもないということになります。
従って最初にやらなくてはならないのが、自分が思いついたアイデアが95%のゴミの1つなのか、継続検討すべき5%の貴重なアイデアなのかを判断すること。ところがこれが結構難しい。人は面白そうなアイデアを思いつくと、その良し悪しを自分自身では冷静に見られなくなってしまいますから。

今日はアイデアの良し悪しを早い段階で見分けるための5つのステップについて話してみます。

最初のステップは、類似の製品・サービスを検索することです。
自分では「これは斬新な製品だ!」と盛り上がっても、残念ながら結構な確率で同じ、もしくは類似の製品やサービスが既に世の中に存在しているのが現実です。後々になって「実は二番煎じだった」とならないよう、最初に冷静に調査しておきましょう。ウェブで検索をかけるのはもちろん、業界に詳しい数名に訊いてみるのが手っ取り早いと思います。
なお、同様のプロダクトが既に存在していたからと言って、即NGではありません。海外のサービスであれば、それをローカライズしたものを国内で展開できる可能性は十分あります。また日本国内に類似業者がいた場合でも、それらを競合に見立てて差異化を図れる可能性があります。ゼロから自社で新市場を創るよりも、既に類似業者が現れている市場の方が立ち上がりは早くなりますので、むしろ喜んでよいかもしれません。

次のステップは、市場が空いている理由を知ることです。
新事業の提案者の中に、よく「ここのセグメントが空いているので狙いたい」と発案した動機を語ってくる人がいます。しかし経験的に言って、この着眼方法は極めて危ないです。既存業者が踏み込まない市場セグメントは、技術的に参入が難しかったり、収支がペイしにくかったり、法規制で制約がかかっている等の背景がある場合がほとんどです。「空いている市場にはワケがある」が、事業開発の鉄則だと心得てください。
まずは既存業者が参入していない理由を把握しましょう。そもそも顧客ニーズがないかもしれませんし、技術・コスト・法規制などの面でハードルがあるのかもしれません。前者のようにニーズがない場合は諦めるしかないですが、後者のようなハードルがある場合は、どうやって乗り越えるかを考えます。もしここで突破方法が見つかったのなら、皆さんの事業アイデアは、かなりの確率で生き残れると自信を深めてよいでしょう。

3つ目のステップとして、本当は既存製品に対する優位性を確認する必要があります。が、ここは別の機会にお話しようと思うので本日は割愛させてください。

4つ目は、顧客インタビューによるニーズ検証です。
新プロダクトの概要が見えてきたら、早めに見込み顧客の反応を探ってみましょう。いきなりアンケートを作成してバラまく人を見かけますが、この段階のインタビューで重視したいのは、量よりも質です。数名でよいので、見込み客の人と対話しながら、既存のプロダクトのどんな点に不満を感じているか、新プロダクトはニーズにフィットしているか等を定性的に確認していきます。
対話をより具体的にするには、よく言われるように試作品(プロトタイプ)を用意して臨むといいでしょう。ハードウェアならばレゴや3Dプリンターを使った試作品があれば御の字ですし、ウェブサービスであればランディングページのイメージ図で十分です。

最後のステップは、需要を分解して見積もることです。
顧客インタビューが終わると、多くの提案者は「ニーズの存在が確かめられた」と自信を深めて、どんどん前に進もうとします。しかしここで一瞬、立ち止まりましょう。というのも、顧客インタビューで「ニーズが有るか・無いか」の二択で尋ねると、ほぼ全員の見込み客が「有る」と答えを返してきます。でも肝心なのは、ニーズ(需要)の有無ではなく、その大きさです。
私の場合は、ニーズを「広さ」×「深さ」×「長さ」に分解して市場規模を見積もります。「広さ」とは、ニーズの汎用性がどの程度あるかで、ターゲット人口の推定に使います。「深さ」とは、顧客がどの程度強く必要としているかで、製品単価を決定づけます。そして「長さ」とは、ニーズがどの程度の頻度でどのくらい長く続くかで、購買頻度と継続期間に置き換えられます。広さ・深さ・長さの3要素を掛け合わせることで、おおよその市場規模を見積もり、参入検討に値する市場か否かを判断します。

分野: 経営戦略 |スピーカー: 山口英彦

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