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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 工場と市場としてのベトナム② (国際経営、国際物流/星野裕志)

工場と市場としてのベトナム②

星野裕志 国際経営、国際物流

15/11/27

昨日はチャイナプラスワンのベトナムが、生産拠点としても市場としても注目すべきとのお話でした。人口は9千万人を超えており、また手先の器用さや勤勉さのベトナム人の気質が、ベトナムの強みということでした。

賃金の安さだけを見れば、アジアでもミャンマーやバングラディシュの方が競争力がありますが、ベトナムには工場と市場の両面が期待できるという点は、大きいと思います。

昨年10月の外務省の調査では、ベトナムに進出している日本企業は、拠点数では1,452拠点で、国・地域別ランキングで見ると世界第8位とのことです。今日は、日本の進出企業のモデルとして、2つの会社のおはなしをしたいと思います。

以前にもこの番組で、福岡の企業がベトナムに進出されていることを紹介しました。冷凍たこやきの八ちゃん堂の焼きナスの生産の話でした。八ちゃん堂はホーチミン・シティの工場で、焼きナスを現地生産して、日本に輸入しています。今回はハノイ郊外のタンロン工業団地というところに生産拠点をもつTOTOと株式会社タカギの話をしたいと思います。両社ともに、北九州に本社を置く国内シェア・ナンバーワンの企業です。

まずTOTOですが、ご存知の通り、衛生陶器のトップメーカーですが、2002年に現地法人を設立して、衛生陶器の生産を開始しました。この会社は、ベトナム以前に、早くから中国の北京や上海に複数の生産拠点をもって、日本やアメリカなどに製品を輸出していました。
現在中国では、移転価格税制のために国内で生産される製品は、輸出されることなく中国国内で消費されています。移転価格税制とは、海外の子会社から本社に製品を輸出する際に、国外への所得の移転を防止する措置です。

TOTOのグローバル戦略として、地域内の地産地消を掲げられているので、そうなるとアジア内の生産拠点としてクローズアップされたのがベトナムです。ベトナムで生産される製品の半分は日本などの海外へ、あとの半分が国内で販売されています。中国でのやり方と同様に、5つ星ホテルや富裕層を対象に、とても人気があるようです。まさに、工場と市場としてのベトナムです。TOTOは、海外向けと国内向けに製品を生産しているということです。
       
また、タカギは、蛇口一体型の浄水器と散水用のホースとノズルでは、国内のトップのメーカーですし、2021年までに世界シェアNo.1を目指されています。この会社の唯一の海外拠点が、2008年に設立されたベトナムの工場で、散水のノズルや金型を生産しています。

園芸用などの散水用品は、まだまだベトナムでガーデニングという需要がないようですので、生産された製品の全量が日本に輸出されています。つまりベトナムを工場として利用されていることになります。同じようにベトナムに進出する企業でも、国内向け、海外向けと目的が違うということになります。

この二つの企業のもうひとつの違いは、生産の方式です。タカギではまさに手先の器用なベトナムの工員さん達が、工夫をしながら、細かい部品の組み立てをしています。ベトナムの特性がいかされていると言えます。TOTOでは、一部にロボットを導入されて、人間に代わって釉薬の吹付けがされています。検品の行程などは、複数の担当者が配置されて、より念入りに行われている以外は、基本的に日本国内と同じような生産方式がとられています。


今日のまとめ:今回訪問をしたTOTOとタカギを見ていると、ベトナム国内を市場と捉えるのか、ベトナムに特有の生産方式をとるのかなどに違いがありました。もちろん企業の戦略の違いですが、ベトナムに進出する企業の選択肢の幅を感じました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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