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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 株券 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

株券

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

15/11/18


引き続き、拙著『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』のエッセンスを紹介いたします。

今回は、株式会社の御話です。株式会社とは、会社を作る時にお金を出してくれた人に「株券」を渡す会社のことです。

たとえば、コンサートの入場券は、代金と引き換えに受け取るもので、「この券を持った人はコンサートに入場する権利があります」ということを示すものですね。株券も同様で、「この券を持った人は配当がもらえる、等々の権利がありますよ」ということを示すものです。これらを「有価証券」と呼びます。

会社を作る時に多くの金額を出してくれた人には数多くの株券を渡します。株券を持っている人を株主と呼びます。

株式会社は株主から資金を集めるほか、銀行から借金をして、社員を雇ってビジネスを行ないます。

株主は、3つの権利があります。第一に、会社が儲かった時に配当(利益を株主が山分けするもの)が受け取れます。第二に、会社が解散する時には、資産を売って負債を返した残りを山分けしてもらえます。第三に、社長の選挙等で投票できます。厳密に言えば、株主が選ぶのは取締役なのですが、まあ社長の選挙だと考えて良いでしょう。3つとも、株券1枚あたりの権利なので、株券を数多く持っていれば、多くの権利があることは当然です。

さて、会社がビジネスをする際には、株券と引き換えに株主から資金を集めるほか、銀行から資金を借り入れるのが普通です。

銀行からの借入には、借用証書を渡しますが、これには⑴借入金額、⑵返済期日、⑶金利が書いてあります。つまり、株式会社が儲かっても儲からなくても、倒産しない限り銀行には関係ないのです。

社長の選挙で銀行が投票することはなく、株主だけが投票することになります。金儲けの上手い人が社長になるか否かは、銀行ではなく、株主にとって重要だからです。

さて、株式会社は人を雇ったり金を借りたり様々な契約をしますが、会社には手も口もないので、社長等が会社のために契約をします。その際の契約書には、「○○株式会社 社長○○太郎」といった署名をします。これは、社長個人としての契約ではない、という事を示すものです。したがって、こうした署名入りの借用証書を持った銀行は、社長のポケットの現金ではなく、会社の金庫の現金から返済を受けることになるのです。

株式会社には、「株主有限責任」という法律があります。株式会社が解散する際に、資産を売っても負債が返せない場合、銀行は株主に返済を要求してはいけない、という法律です。この法律があるので、銀行が株式会社に金を貸す時には、株主が金持ちであっても株式会社の決算書などをしっかり調べるのです。

たとえば社長と家族だけで頑張っている株式会社があったとして、会社が潰れた時に、銀行は社長からお金を返してもらうことはできません。でも、それでは銀行が困るので、銀行が中小企業に貸す場合には、社長の個人保証をとる場合があります。社長の名前で「会社が倒産した場合には、残った借金は私が代わりに返済します」という書類を作って銀行に渡すのです。当然、署名は上記と異なり、社長の個人名での署名となります。

社長は、保証書にサインすることで、払わなくても良いお金を払う事になります。それならば、保証書にサインしなければ良いと思われるかもしれません。しかし保証書にサインしないと銀行が融資をしてくれないので、仕方なくサインをするのです。

世の中には大きな会社も小さな会社もあります。その多くは株式会社ですから、法律的には同じです。ただ、中小企業は社長が株式の多くを持っている場合が多く、大きな会社は大勢の投資家が株式を持っていて活発に売り買いしている場合が多いです。

大きな会社の多くは、株式が上場されています。上場というのは、証券取引所が「この会社については、売りたい人と買いたい人の注文を受け付けて、売り手と買い手の間を繋いであげます」と宣言してくれることです。

上場するメリットは、いろいろあります。まず、売りたい人と買いたい人が簡単に取引相手を見つけることが出来るので、株式の売買が活発に行なわれることになるのです。社長が持っている株式が売りやすくなったりもします。

また、株式を上場すると、会社が有名になります。また、上場する際には審査がありますから、上場したという事はその審査に通ったということになり、会社の信用力も増すでしょう。会社の利益状況などはもちろんとして、経営が安定しているか、企業の情報が正しく発表される体制ができているか、等々幅広い項目が審査されますから、この審査に通ったということは、変な会社ではなさそうだ、ということを示しているわけです。

このように様々なメリットがあるので、大きな会社の多くは上場しています。上場には様々なコストもかかりますが、メリットがそれを上回っているのです。

まとめ:株式会社は、株主と銀行から資金を調達していますが、社長の選挙は株主だけが投票します。株式会社の借金は、株主は返す必要がありません。これを株主有限責任と呼びます。大きな会社は上場して、株券を証券取引所で売買してもらうのが普通です。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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