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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 公的年金 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

公的年金

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

15/11/06


前回に引き続き、拙書『老後破産しないためのお金の教科書』のエッセンスを紹介いたします。

今回は、公的年金の御話です。日本の年金の制度は複雑で、わかりにくいのですが、大事なことは、3階建てになっているという事です。一階部分は、全員が加入する国民年金です。自営業者の方の年金は、基本的にこれだけです。二階部分は、サラリーマンが加入する厚生年金です。公務員などは共済年金でしたが、今年10月に厚生年金と合併しました。三階部分は、企業が独自に設けている企業年金です。これは企業ごとに様々なので、今日は取り上げませんが、サラリーマンの方は自分の会社に企業年金があるか否か、調べてみては如何でしょうか。

一階部分の国民年金は、全員が加入します。原則として20歳から60歳まで保険料を納めると、65歳になってから毎月6.5万円が受け取れます。夫婦二人で、毎月13万円です。自営業の方の年金はこれだけですから、チョッと心もとないですね。自営業には定年がありませんから、65歳を過ぎても元気な間は収入があるだろう、という事なのかもしれませんが、問題なのは、失業者もフリーターも自営業と同じ扱いなのです。彼等は大した貯金もなく、大した収入もなく、夫婦二人で13万円で老後を暮らしていかなくてはなりません。更に、彼等は現役時代に年金保険料が支払えていない場合もあり、そうなると年金が一切もらえない場合も出て来ます。そうなると、老後は生活保護に頼らざるを得ないことになりますが、その話はまた別の機会にしましょう。

二階部分の厚生年金は、サラリーマンが所得に応じて保険料を支払い、支払った保険料に応じて老後に年金を受け取る、というものです。所得の大体9%を保険料として納めると、企業も同額を保険料として納めてくれます。老後に受け取れる額は各人異なりますが、平均的なサラリーマンは大体月に9万円程度受け取れるようです。つまり、サラリーマンと専業主婦の夫婦の場合、老後は大体22万円程度の年金が受け取れるという事になります。平均的な高齢者無職世帯の支出が26万円程度ですから、少し足りないといった程度でしょう。

さて、これまでは、誰が何を受け取るのか、という話でしたが、ここからは誰が何を払うのか、という話です。これはかなり複雑です。

全員が加入する国民年金ですが、保険料の支払い方は大きく3通りに分かれます。サラリーマンは、厚生年金保険料を納めることで、同時に国民年金保険料も納めたものとされますから、給与明細などに国民年金保険料が登場しませんが、それで問題ありません。

次に、サラリーマンの専業主婦は、夫が厚生年金保険料を支払うと、自分も国民年金保険料を納めたものとカウントされます。

専業主婦には収入がないので、保険料が払えないという事なのでしょうが、チョッと納得できない制度ですね。夫婦共働きのサラリーマンは二人とも年金保険料を支払いますし、自営業者も夫婦ともに国民年金の保険料を支払いますから、不公平な感じがします。

たとえば、御主人の収入が減ってきたため、奥さんに働きに出てもらった場合、奥さんの年収が130万円を超えると共働きと見做されて、奥さんも厚生年金保険料を支払わなくてはいけないのです。御主人の収入が減ったら奥さんの年金支払いが必要になった、というのは問題ですね。更に言えば、御主人がリストラされて無職になったり、離婚して奥さんが専業主婦でなくなった場合も、奥さんは年金保険料を支払う事になります。この制度が出来た頃は、サラリーマンには専業主婦がいて、リストラも離婚も少なかったので、こうした点が問題とされなかった、という事のようです。

年金は、65歳から受け取れるのが基本です。生まれた年によっては、若干早くから受け取れる場合もあるようですが、原則は65歳からです。しかし、実際に何歳から受け取るかは、60歳と70歳の間から自分で選べます。当然ですが、早くから受け取る人は毎月の受取額が少なくなり、遅くまで待った人は毎月の受取額が多くなります。

年金の受取開始を70歳まで待つと、毎月の年金額が42%も増えるので、82歳より長生きをすると思う人で、70歳まで年金を受け取らずに暮らせる人は、待つ事をお勧めします。少しでも遅らせれば少しだけでも年金額が増えるので、蓄えがあまり無い人でも、たとえば65歳ではなく66歳まで待つ、という事を考えてみては如何でしょうか。

65歳まで待てないという人は、早めに年金の受取をはじめる事が出来ますが、そうなると毎月受け取れる年金額が減ってしまいます。60歳で受取を始めると、30%も減ってしまうのです。普通に65歳から受け取っても老後の生活費には足りな目なのですから、これでは老後が心配です。少しでも働いて、少しでも倹約して、少しでも年金受取開始を待ちましょう。

年金は、死ぬまでもらえますし、インフレになれば受取額も増えて行きます。老後で一番心配なのは、長生きをしている間にインフレになって蓄えが底を突いてしまう事ですが、年金はそうしたリスクに対する備えとして、大変心強い存在です。少しでも毎月の受取額が増えるように、頑張りたいものです。

まとめ:日本の年金制度は三階建てです。 一階部分は全国民共通の国民年金、二階部分はサラリーマンの厚生年金です。三階部分は企業毎に実施している年金です。標準的なサラリーマンと専業主婦は、65歳になると二人併せて毎月22万円程度の年金がもらえます。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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