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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 今年も行きましたイギリス(1)カレッジのビジネス (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

今年も行きましたイギリス(1)カレッジのビジネス

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

15/10/14

 毎年夏に学生をケンブリッジ大学へ連れて行っているわけですが、今日はその様子をご報告したいと思います。
 今日のテーマとしては、「カレッジのビジネス」という観点からみてみたいと思います。ケンブリッジ大学というのは小さなカレッジの集合体であり、カレッジは個人指導をする場所になります。様々な専門の学生や先生が混じりあっています。昼間は、各々、自分の専門の学部に出かけていき授業を受けるわけです。カレッジはそれとは異なり、寝泊まりをしたり或いは個人指導を受けたりといったことのホームとして使われ、学生も先生も学部やカレッジと二重戸籍になっています。その一つ一つのカレッジがケンブリッジには31個あり、それぞれが独立採算になっています。

 それぞれの財政がどうなっているかというのを見てみると、昔からの財産でもってかなり余裕な所もあれば、なかなかカツカツな所もあったりするわけです。そして安定的な収入をどれだけ得られるかということが、やはりケンブリッジといえども問題になってくるわけです。そのため、各カレッジでは、授業料などの収入、或いは国からもらう補助金、それ以外に自分で稼ぐお金などがあるわけです。
 
 今日は、そういった資金源には一体どういったものがあるのかという話を少し詳しくご紹介したいと思います。
まず、学生からあがってくるお金がどのくらいあるかというと、今回調べてみてわかったことですが、すごい金額になります。まず大学自体に払うお金と所属するカレッジに払うお金があり、その両方を合わせると年間2万数千ポンドになります。1ポンド日本円で150~200くらいのレートの間を行ったり来たりしているわけですけれど、何百万円という額になります。大学自体では国内の学生、イギリス若しくはEU内の学生と、留学生で異なり、留学生は倍近くかかります。これに加えて、カレッジに対してもまた別に支払いがあるということですから、年間で大学へ後納金として支払う金額は合わせて2万数千ポンドにも昇ります。この他に泊まる所や食費、生活費などがかかってくる訳ですから、総額で考えるとすごい金額になります。
実は学生の半分以上を留学生が占めており、この高額な支払いが滞ったりすることはあまりみられないようです。このように、まずは学生からの納付金としてかなりの額が入ってくるといえます。

 そしてこの他に国からの予算が入ります。なおかつやはりあれだけの大きな建築物を抱えていたり、授業にお金がかかったりするところですから、どうしても副収入というのが欲しいカレッジが多いわけです。ケンブリッジを観光したことがある方ならご存知かと思いますが、大きなチャペルや、様々な著名人、例えばニュートンやダーウィンなどの足跡を見に訪れる方がいます。そのため、入場料をとるとわりと商売にはなるわけですが、そういう資源が無いところはどうするかというのがなかなか難しい所です。それで私たちの行っているペンブロークカレッジというような所は、夏に自分たちの学生さんが寮を出るため、そこに日本やその他の外国の学生さんの団体を受け入れて、夏期プログラムを行うということから収入を得るという形になっているわけです。

 ところが夏期講座というのもノウハウが必要なもので、どこのカレッジでもおいそれと出来るものではありません。本当に小さなカレッジでは、観光者も見込めず、夏期講座もなかなか出来ず、本当に様々な涙ぐましい努力を行っています。中には食堂を一般開放し、中で学生さんと同じものを味わってみませんか、というような宣伝をしているところもあります。各カレッジの食堂というのは、いわゆるハリーポッターの食事をするホールなど、ああいう雰囲気の所が多いわけです。ですから、ああいう所で一食分の食事代を払えばその中で食事が出来るのかと思えば、観光客の方も入ってみようかという気になるわけです。

 普通のカレッジですと一般者お断りが殆どです。いわゆる観光としてお金を取って観光客を入れる所と、無料で自由にどうぞという所、それから自分のところには入らないようにという3種類の形態があります。原則としては、「入らないでください」ということになっているところが多く、食堂も外部の方には開放していない所が殆どですが、今回行ってみて一般公開しているところもあり、様々な工夫をし始めているなと感じました。

 また、観光客の方が受け入れられるところだと、それをベースにして大学のグッズの販売などを行っているところもあります。それもまたいい収入になるわけです。パンフレットを有料で販売し、そこの大学の紋章をあしらった様々なネクタイであるとかタイピンであるとかトレーナーやTシャツのようなものを販売する訳です。これが結構観光客の方にはうけているようで、カレッジという大学の世界、しかもケンブリッジという有名な大学でも、いわゆる財政的なところを工夫して頑張っているということです。

 ケンブリッジ大学といえども財政の観点無しには成り立たないという時代になってきています。そこは他の所から様々なことを学んで様々な商売を始めているけれど、逆に私たちがそこから学ぶことがあるかもしれないなという話でした。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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