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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > パブリックガバナンス改革 (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

パブリックガバナンス改革

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

15/10/22


今回は、パブリックガバナンスについて話します。

従来は、政府や地方公共団体は民間と異なり、利潤追求を目的としたものではないと考えられていました。株式会社とは違って、公共の福祉の実現という公共性・公益性の高い事業をしているために、民間と同じようにみなすことはできないというのが、ある意味常識的な考え方でした。特にガバメントについて言えば、政府や地方公共団体は法律的な権限をもって強制的に税金を徴収したり禁止したり国民の自由を制限したりしていますので、そうした強い力をもった行政を主権者たる国民がどのようにしてコントロールするのかというのが一番大きなテーマでした。法律や憲法、行政法などによって、民主主義という大原則の下に政府や地方公共団体が運営されていたためです。

もちろん、民間において経営陣を牽制する監査役などがあるのと同様、国にも三権分立をはじめとした同じようなシステムが見られます。一方で近年では、経済の中で政府や地方公共団体が大きな役割を果たすようになってきています。財政が非常に厳しくなっており、税金を取ってさえいればどうにかなる状況にはないのです。そうした状況の中、これまで行政によって担われていた公共サービスを民間へ委託する例が出てきているように、公共サービスの世界に民間が入ってくるようになりました。ガバナンスにおいても、民間の手法を取り入れることがだんだんと必要になってきています。

たとえば、役所の会計は現在、家計簿のような単式簿記で行われており、現金の出入りだけを管理する現金主義をとっています。もともとそれらの現金は税金ですので、きちんと使われているかどうかを管理するために大切な作業です。しかし、経済活動においてより洗練された複式簿記による発生主義の導入が、最近になって検討され始めています。

役所も、道路や橋、トンネルなどの資産を持っています。これらはだんだんと老朽化したり壊れたりするので、補修しなければなりません。そのためには更新費用がかかるので、その時期や方法について資産管理において考える必要があります。従来の方法であれば、「今年は金があるから修理しましょう」といった按配になりますので、長期的・合理的な管理ができませんでした。最近になって、適切な運営のために、民間が取り入れている発生主義の会計を取り入れようとしているのです。

ほかにも、ITを使ってデータを処理するにあたっては、きちんと管理していくことが重要となります。とこころが国にしても地方自治体にしても、IT的なインフラの整備は遅れていました。近年、先ほど述べたような事柄をデータにもとづいて推し進めるために、民間で相当に研究されてきているノウハウを取り入れて、ITのインフラの整備を進めています。

これからは政府自体がデータにもとづいた政策決定をし、きちんと実施していくことになるでしょう。特に長期的な視野にもとづいて管理していくためには、民間のノウハウを積極的に用いることで、パブリックガバナンスは進化していくものと思います。

今日の話をまとめます。
これまでは、公益を担うのは役所と官だけで、利潤追求に走る企業やNPOなどの民間には公共サービスやまちづくりのような政策は任せられないという考え方が、役所の方にもありました。いわゆるお上意識のような感じで、官民連携においても官と民が対等ではない部分が見られました。しかしこれからは、役所自身が政策をきちんと施行していくために、民間のコーポレートガバナンスのように、パブリックガバナンスのあり方をよく見直す必要があります。それを踏まえて官民連携で社会をつくっていくという新しい時代に入るために、ガバナンス改革がますます必要となります。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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