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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > キーワードで理解するイノベーション・マネジメント(8)技術機会 (技術経営、科学技術政策/永田晃也)

キーワードで理解するイノベーション・マネジメント(8)技術機会

永田晃也 技術経営、科学技術政策

15/10/06


今回は、「技術機会」というキーワードを取り上げます。
 これは、technological opportunityという英語の日本語訳ですが、専らイノベーション研究者らによって用いられてきたため、多くの人達にとっては耳慣れない言葉かも知れません。
 これを定義的に言えば、「研究開発がイノベーションに結び付く機会」ということになります。具体的には、研究開発の成果が新しいプロジェクトの提案に結び付いたり、進行中のプロジェクトが直面した技術的な問題が解決されたりすることを言います。
 重要なことは、この定義から明らかなように、技術機会とは研究開発の効率を左右する要因に他ならないということです。こういう機会は、企業の研究開発を取り巻く様々な情報源によって提供されることが知られています。

 企業を取り巻く情報源には、どんなものがあるでしょうか。
 まず、それは企業の組織内部にあります。例えば、生産部門やマーケティング部門などが直面している問題は、研究開発部門にとって重要な情報となります。また、企業が複数の研究開発部門を持っている場合は、他の研究開発部門が情報源になることもあるでしょう。
 次に同じ産業部門の中にある情報源ですが、それは競合他社に他なりません。もちろん研究開発に関する情報は極めてコンフィデンシャルですから、競合他社の情報が簡単に入手できるわけではありません。しかし、例えば競合他社が取得している特許や、特許出願中の技術に関する情報は入手できますし、競合他社の研究部門が公表している報告書なども、その研究動向を知る上である程度役に立ちます。業界団体などを通じて、業界内部で共有される技術情報もあるでしょう。
 次に当該の産業と取引関係のある他産業の情報源です。これには、供給業種や、ユーザーとなる顧客が含まれます。
 最後に、産業の外部にある情報源ですが、これには大学や公的研究機関が含まれます。

 どのような情報源が、技術機会の源泉として重要であるのかという点も、イノベーション研究の重要な論点の1つとされ、度々調査されてきました。それらの調査結果を通じて、長期的に一貫している発見事実は、顧客が最も重要な技術機会の源泉になっているということです。

 多様な情報源との接点を持ち、豊富な技術機会を獲得する上では、一般的に企業規模が大きい方が有利だと考えられています。以前、大企業がイノベーションの主要な担い手になると考えたシュムペーターの仮説についてお話しましたが、その根拠は技術機会の獲得における利点にあるというのが近年の解釈です。

今回のまとめ:技術機会とは、研究開発がイノベーションに結び付く機会であり、研究開発の効率を左右する要因となるものです。

分野: イノベーションマネジメント |スピーカー: 永田晃也

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