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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 起業を体験する"Startup Weekend"(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

起業を体験する"Startup Weekend"(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

15/09/28


・前回の私の話では、「事業計画書の持つ意義」について話をした。新規事業をスタートするときに作成する事業計画書は、美しく書き上げることに意味はなく、むしろ、作成過程で創業チームが一致協力し、自分たちが見過ごしていた矛盾を発見し、仮説の曖昧さを排除することに価値があるという話をした。
・また近年では、分厚い事業計画書の存在意義は縮小し、むしろ、起業家がアイデアを思いついたらなるべく早く試してみて、そこで得られた結果(顧客の反応など)から更に良いものへとブラッシュアップする、というサイクルを速く回す行動様式にこそ価値があることを話した。

・この、起業家として活動を始めるごく初期を、54時間に凝縮して体験するユニークなイベントが、Startup Weekendだ。これは、2013年の段階で、世界110カ国、470以上の都市で開催されている世界共通のイベントだ。日本では、東京や京都、福岡など、数多くの都市で開催され、福岡でもこの3年間ほど毎年継続して開催されている。
・これは、起業に関心のある人であれば、だれでも参加できる。イベントは、金曜日の夜7時にスタートし、日曜の夜まで続く。参加費は5,000円だが、全7回の食事付きなので、さほど割高感はない。(食事付きということは、早朝から深夜までチームで起業に向けた様々な作業をほぼぶっ続けで行うということ)

・イベントのオーガナイザーは、起業経験やビジネス経験豊かなメンターや投資家、先輩起業家に声をかけ、協力者として関与してもらう。参加者は、「本気(情熱)」だけを持って参加すればよい。
・イベントの目的は、ビジネスをスタートさせることではなく、参加者を起業家として生まれ変わるために必要な擬似的な「起業体験」を提供するところにある。従って、イベント参加後に直ぐ起業家になる必要はない。起業のプロセスで何が起こるかを体験的に知っておくことで、後の人生で魅力的な事業機会を見出した時に、即行動を起こせることに意味がある。つまり、詳細な手段は別として、「こんなふうに仲間を集めてアイデアをブラッシュアップし、ステークホルダーを巻き込めば良い」ということが判っているだけで、起業のハードルは大きく下がる。そんな人材を地域に増やすことが、このイベントの目的だ。

・54時間のざっくりしたスケジュールは、次のとおりだ。
1日目
・夕方集合、受付、ネットワーキングの夕食
・オーガナイザーによる概要説明とアイスブレイク
・アイデアを持つ参加者のエレベーター・ピッチ
・参加者による投票とチームづくり
2日目
・朝食、チームでの作業、新たなメンバー募集や一部入れ替え
・メンターによるアドバイス
・試作品(プロトタイプ)づくりや顧客ニーズ調査(チームは会場の外に積極的に出て、街頭インタビューなどを積極的に行う)
・夕食後まで作業
3日目
・朝食、チームでの最後の作業
・プレゼン準備
・各チームからのプレゼン、審査と表彰
・夕食(打ち上げ)

・3日目の最終プレゼンでは、チームの事業コンセプト、想定顧客とそのニーズ、市場分析、提供する製品やサービス(アプリなど試作品を作って見せる場合もある)、収益化の方法(ビジネスモデル)、売上予測や成長のシナリオ、等についてスライドや試作品を使ってプレゼンする。審査員が様々な質問を浴びせかけ、最終的に最も得点が多かったチームが優勝となる。中には、時間内にビジネスモデルの矛盾を解消しきれなくて、点が伸びずに悔しい思いをするチームもいる。

・日曜夜の表彰式後のディナーは、皆、晴れ晴れした顔をしている。アイデアに共感する仲間とチームを組成し、様々な見解の違いや方針のぶつかり合い、摩擦、葛藤、嫉妬、諦め、・・などの障害を乗り越えて、ひとつのビジネスのアイデアを練り上げる体験が出来るのは貴重だ。まさに、"Idea is worthless, execution is worth."(アイデアそのものではなく、実行にこそ価値がある)だ。

・次回は、今年6月に福岡(西南学院大学)で行われたStartup Weekend Fukuokaの参加者がどんな54時間を過ごしたのか、紹介したい。

【今回のまとめ】
・週末の54時間に集中して起業体験が出来るイベントStartup Weekendは、今や世界中に活動が広がっている。起業では、アイデアをチームでまとめ上げる過程で様々な困難に突き当たるが、それを乗り越える体験ができる貴重なイベントだ。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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