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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 外貨売買について① (企業財務管理、国際金融/平松拓)

外貨売買について①

平松拓 企業財務管理、国際金融

15/09/21

今日はファイナンス関連でも身近となっている「外貨の売買」について考えてみたいと思います。

皆さんの中にも外貨の売買をしたことのある人は結構いらっしゃるのではないかと思います。例えば海外旅行の為の両替の経験がある方、或いは外貨で資産運用をされている方もいらっしゃるかもしれません。

昔、といっても私が知っているのは35年ぐらい前迄の話ですが、日本人の海外旅行といえば欧米が多く、その分旅行日数も長めになるため、滞在費を結構持っていかなければなりませんでした。当時は米ドルの為替相場が1日に2~3円、1年間で60円も動いたりということも多かったため、為替レートや銀行の手数料などを気にしながら、どの通貨をどういう形、例えば外貨の現金で持っていくのか或いはトラベラーズチェックを作って持っていくのか、大いに頭を悩ませたものです。それに比べると現在は海外旅行といってもアジアなどへ短期の旅行も多く、また、ほとんどがクレジットカード決済で済む時代になり、旅行のための外貨売買にそれほど気を遣う必要はなくなりました。

一方、外貨預金や外国債券、外国株式への投資などということになると、金額も大きくなってくるためそうはいきません。売買手数料は馬鹿になりませんし、為替相場の変動が運用の成果に大きく影響してきます。そこで、為替相場と売買手数料の関係を見てみると、銀行では午前中、多くの場合10時頃ですけれども、「外国為替市場」での取引実勢に基づいてその日一日の一般取引用の為替相場を公表しています。様々な通貨、様々な取引のための売買相場が公表されますが、そこに示されている売り相場、買い相場の差が銀行の手数料と考えることができるわけです。この手数料に応じる形で、実勢相場が公表相場決定時から一定幅動くと、多くの場合公表相場での取引には金額制限が加わります。更に一定幅、例えば公表相場決定時から2円以上動くと、第2次公表相場が発表されるケースも有ります。つまり、為替市場の実勢取引に合わせてその都度取引に使用する売買相場を変えていたのでは手間がかかることから、公表相場を用いるのですが、その公表相場が適用されている間に為替相場が動いた分は、銀行にとっての手数料収入が変動し、その分は銀行が飲み込む形になっています。更に変動が一定範囲を超えた場合には、公表相場を再調整することで、銀行が損失を被ることがないようになっている訳です。

旅行などに使う外貨現金の売買の場合は、外貨預金をする場合より銀行手数料が高いということにお気づきの方も多いかと思います。これは外貨現金の場合は、円との交換の手数料に加えて、外貨現金の在庫を抱えたり、場合によっては本国との間で外貨現金の輸送コストがかかることになるためです。外貨現金との両替は、銀行ばかりでなく両替商などでも可能ですが、国内の銀行の手数料は似たり寄ったりですが、空港内の両替商、或いは海外の現地の街中の両替商の手数料の方が安かった、そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないかと思います。

一方、外貨預金など外貨で資産運用をする場合には、銀行或いは証券会社を使うことになりますが、昔は実際に店舗に出向く必要がありました。その際、店舗で呈示される為替相場と売買手数料はどこもほぼ一律で、米ドル外貨預金を例にとると銀行の手数料は大方1円でしたが、これは実は今でもあまり変わっていません。昔は1ドル300円以上していたのですから、そこから変わっていないということはある意味割高になっているといえます。これを銀行の立場から見れば、外貨預金などでの運用はリスク性の商品ということになっているため、リスクの説明から始まって各種の確認事項など非常に多くの手続きを義務付けられており、かなりの手間と時間、つまりコストがかかる取引となっています。特に店舗を訪れる人の中には不慣れな人も多いですし、そうした中での外貨の売買手数料は、コストをカバーするための貴重な収入となっています。また、この手数料に関連して、外貨預金を持っている人が第三者に外貨での支払いが必要になった時に、保有している外貨預金から支払えば外貨売買の手数料が節約できそうと考えがちですけれど、実はそうとは限りません。外貨のまま外部に送金する場合には、別の名目で外貨売買手数料に代わる何らかの手数料を取られることが少なくありません。その点は注意が必要です。

最後に、最近はインターネットバンキングの普及によって、外貨預金の設定・解約等や外国証券の売買が手軽に出来るようになっています。自動処理の利点をいかして、公表相場を使わずに市場実勢をベースとしながら、10銭を切るような手数料で取引をしているところもあります。これらを上手く使いこなせば、素人の方でも外貨の売買にかかる時間と手数料が節約できて資産運用の幅が広がるというような時代になってきています。

では、今日のまとめです。
海外旅行が比較的身近になって、外貨の売買も自然に行われるようになってきています。さらに売買手数料の仕組を知ることで、より賢く外貨売買とつき合うことが出来るかと思います。

分野: 国際経営 |スピーカー: 平松拓

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