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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティングにおける製品デザイン(Product Design) 研究の進展① (マーケティング/岩下仁)

マーケティングにおける製品デザイン(Product Design) 研究の進展①

岩下仁 マーケティング

15/08/20


近年、製品デザインが非常に注目されています。

ペットボトル飲料のパッケージ・デザインを作るように言われた場合、マーケターはどのような視点を持つべきでしょうか。基本的には、「美しさ」を取り入れることで、消費者がポジティブなイメージを持てるようなパッケージ・デザインを目指します。

ところが近年では、「操作性」をも取り入れたデザインが出てくるようになりました。たとえば、1脚15万円ほどのアーロンチェアーという椅子があります。人間工学が駆使されており、長時間座っていても疲れません。アーロンチェアーは、これまで検討されてきたスタイリッシュさなどの見た目の美しさに加えて、使いやすさも勘案された上でデザインされているのです。

ペットボトルにおいても、同様の状況が見られます。最近では、持ちやすさを意識したデザインが出てきました。持ちやすいか持ちにくいかでブランドに対するイメージも変わってきますので、操作性を製品デザインにおいて取り入れることも重要となります。たとえば、ペットボトルの蓋に目を向けてみましょう。いざ開けようとした際にも、開けやすいケースと開けにくいケースがあります。製品デザインを開発する人は、こうした閉め口のかたさややわからさにも着目しています。
さらに、「こっちの方が気持ちいい」という人間の感情的な側面をデザインに含ませる場合もあります。これは、従来の美しさなどとは違う視点です。なぜなら、美しさはあくまでも目で見た際に生じる感情ですが、実際に触ったり開けたりする時に生じる気持ちいいといった情緒的な側面が重要となるからです。

コカ・コーラ社より、「い・ろ・は・す(ILOHAS)」というペットボトル飲料が発売されていますが、そのパッケージもまた、新たな視点よりつくられたものです。「い・ろ・は・す(ILOHAS)」は、特にエコの視点を取り入れたものとして知られています。近年、マーケティング3.0という言葉が聞かれるようになりました。環境に優しいかという視点が着目されています。現在のマーケティングは、このようないろいろな視点が潜んでいることを前提としています。

ほかにも、サントリーの伊右衛門のペットボトルも面白い事例です。伊右衛門の形状は、竹筒をモチーフにしています。一口に伊右衛門と言っても、現在では麦茶など様々にブランドを拡張していますが、ブランドの独自性を保つためにペットボトルの形状はすべて竹筒になっています。竹筒のデザインにおいては、「継続性」という視点を入れています。すなわち、ブランドを拡張する場合、そのすべてが継続してひとつの共通項を持つようにしています。あるいは、自動車のBMWを思い浮かべてみましょう。BMWのすべての車種において、正面のシンボルマークの下にキドニー・グリルと言われるフロントグリルが置かれています。伊右衛門の竹筒にせよ、BMWのキドニー・グリルにせよ、継続性という視点のもとにブランドが成功していることを示し、他社との差別化をはかろうとしているのです。

今日の話をまとめます。
近年のマーケティングでは、製品デザインが注目を集めています。従来では、単純な美しさや心理的な視点ばかりが着目されていました。しかし現在では、継続性や社会性といった様々な視点をもとにして製品デザインが開発されています。こうしたデザインによって、消費者にとってポジティブなブランドが形成されているのです。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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