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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国の大国化 (企業財務 M&A/村藤功)

中国の大国化

村藤功 企業財務 M&A

15/08/03


今日は、中国の大国化について話します。
もはや世界では、アメリカと中国が二大大国となっています。中国はアメリカとの関係を強化しつつ、アジアでの勢力拡大を続けています。

日本と中国の関係を見ると、2012年の尖閣問題以降、険悪なものとなっていました。最近になって回復の兆しを見せ、海空連絡メカニズムの運用を開始することで、お互いに不用意に戦争しないようにしています。もっとも中国は、尖閣問題については強気の姿勢を崩しておらず、海空連絡メカニズムの対象外としています。

アメリカと中国の関係は、中国にとって一番大事なものです。アメリカは、中国が南シナ海を埋め立てることに怒っています。しかし一方で、投資や貿易を通してアメリカ企業の実利を拡大するために協調を深めたいと考えており、もうすぐ貿易協定を結ぼうとしているところです。習近平国家主席は9月に公式に訪米し、オバマ大統領と首脳会談を行う予定です。

ちなみに中国は、南シナ海の埋め立て地に空港や滑走路を造り、空母に艦載する飛行機の緊急避難をそこで行おうとしています。あるいはミサイルを設置して、日本やグアムに撃てるようにしようとしています。アメリカはこれに対して、飛行の自由や船舶の航行の自由を奪うものとして、怒っています。中国も日本と同様、中東から原油を輸入しています。南シナ海は中東から原油を輸入する際の海上交通路ですので、他の国に制空権や制海権を握られると、中国本土のエネルギー供給に不安が生じます。そこで、南シナ海を確保しようと、中国は動いているのです。

中国が大国化しているという現実に、アメリカも目をそらすことはできません。両国間で貿易協定を締結しつつありますが、基本的にすべてを自由にするようです。9月の首脳会談までにお互いにネガティブリストをつくって、規制部分について話し合う予定です。

少し前までは海外の諸国が中国へお金を投資していましたが、最近では中国が、中国の周囲のインフラに投資を行うようになってきました。中国は、陸や海のシルクロードをつくるために、東南アジアや中央アジア、インドへ投資し、拡大を続けています。AIIBというアジアインフラ銀行を中国がつくっていますが、これは、中国によるインフラプロジェクトのファイナンスのためのものです。AIIB内で最重要案件を進めるためには議決権の75%の賛成が必要ですが、AIIBの自己資本の25%以上を中国が持っている以上、中国が事実上の拒否権を持っています。

中国の内政については、習近平による基盤固めが一段落したところです。習近平は、江沢民の支配下にあった周永康や徐才厚、胡錦涛の支配下にあった令計画や郭伯雄などから次々に政治的権利を剥奪しました。二年後の党大会で最高司令部を大幅に入れ替えることができれば、習近平が完全にコントロールを握ることになります。もっとも、江沢民や胡錦濤関係の人々が巻き返しを狙っているでしょうから、これから何が起こって行くのか、注視していなければなりません。

中国のGDPはいまや日本の二倍、およそ1200から1300兆円程度になっています。アメリカのGDPの六割近くになっており、2020年代には、アメリカを抜いて世界一となると見られます。少し前までは、海外への輸出主導で経済を拡大しようとしていましたが、これからは国民の消費を高めて行かなければなりません。また、中国企業が海外で活躍する走出去戦略を、中国政府は加速しようとしています。例えば、中国の二大鉄道車両メーカーである南車と北車を合併させました。アメリカやロシアから受注し、ヨーロッパや日本と戦う際に、この二社が競合することを避けるためです。地下鉄の発展も目覚ましく、今年一年で、日本の全地下鉄の営業距離に匹敵する750km分の路線を増やそうとしています。日本の地下鉄の営業距離が800kmであることに対して、中国の地下鉄の営業距離はその五倍に相当する3750km程度に達する見込みです。

今日の話をまとめます。
中国の大国化が進んでいます。習近平は国内の腐敗と戦い、長老に物言わさぬようにしてきました。また、陸や海のシルクロードを構想し、それを支援するAIIBというインフラ銀行をつくることで、海外へ拡大し続けています。南シナ海の埋め立てに対してアメリカは怒っていますが、一方で、中国と投資協定を結ぶなど、現実的な対応に出ています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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