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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 無料(Free)に関する研究と、無料を活かしたマーケティング戦略 (マーケティング/岩下仁)

無料(Free)に関する研究と、無料を活かしたマーケティング戦略

岩下仁 マーケティング

15/08/19


今回は、「無料」に注目して話を進めます。

アリエリー(Ariely)という人が、ある実験を行いました。まず一つ目のケースでは、一個1ドルの安いチョコと1個5ドルの高級なチョコを用意し、同じ人数に対してどちらのチョコを購入したいか尋ねました。そして二つ目のケースでは、一つ目のケースで用意したチョコより1ドルずつの値引きを行い、1個〇ドルのチョコと1個4ドルのチョコを用意しました。そして、一つ目のケースと同じ被験者に、どちらを購入するか選んでもらいました。そうすると、一つ目のケースでは、27%の人が1ドルのチョコを選び、73%の人が5ドルのチョコを選びました。高級なチョコを選んだ人の方が、多かったのです。しかし二つ目のケースでは、1個0ドルのチョコを選んだ人が69%、1個4ドルのチョコを選んだ人が31%になりました。1ドルずつ値引きしただけにも関わらず、無料かどうかという言葉が消費者に遡求することで、結果が逆転したのです。

このような無料を遡求するビジネスは、非常にいろいろなところで見られます。たとえば、T字の剃刀を例に挙げましょう。T字の剃刀を初めて作ったキング・キャンプ・ジレット(King Camp Gillette)は、本体と替刃を分けて、本体部分をただ同然で売りました。かわりに、交換する必要が出てくる替刃の部分を高めに売りました。本体を無料にして替刃で儲けるというビジネスモデルによって、成功するに至ったのです。同様のことは、プリンタについても言うことができます。プリンタの本体をできる限り安めに売って、インクジェットの部分で儲けるというスタイルがとられています。最初に安めに売ってインパクトを与えて、後に付加的な部分で儲けているわけです。

こうした無料に着目した新しい言葉に、フリーミアム(Freemium)というものがあります。ネットにせよ携帯電話にせよ、アプリやゲームを無料で提供する例が増えてきました。その場合、大勢の人に付加的な部分の有料サービスを使ってもらう必要は必ずしもありません。一部の数パーセントの人が、有料サービスを使うことで、利益が出るシステムになっています。以前より無料に着目したサービスはありましたが、特にネットにおいて、無料を活かしたビジネスモデルを展開する企業が多く出てきています。だからこそ近年、フリーミアムという言葉が注目を浴びているのです。

今日の話をまとめます。
無料という言葉は、消費者にとってインパクトのあるよい響きです。有料にするよりも無料とした方が、消費者の注目を集めやすくなります。そこを取っ掛かりにして、プラスαの部分で利益を出すフリーミアムというビジネスモデルが、最近になってますます注目されています。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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