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環境問題

村藤功 企業財務 M&A

15/07/29


今日は環境問題について話します。
京都議定書について覚えている方も、多くいらっしゃるものと思います。1992年、国連は気候変動枠組条約を採択しました。そして1997年には、2008年から2012年の4年間に1990年比で5%の温暖化ガスを削減することを参加した先進国全体に求める京都議定書が採択されました。日本は6%の削減を約束しましたが、2011年の東日本大震災を経験しつつも、これをどうにか達成しました。

そもそも京都議定書においては、温暖化ガス排出国のうち27%しか削減義務を負いませんでした。アメリカは当初は参加していましたが、途中から抜けました。また中国やインドは、当初より加わっていませんでした。このように温暖化ガスをたくさん排出している国が参加しないことは問題であるとして、2011年12月に南アフリカのダーバンで開催されたCOP17では、2020年まで京都議定書を延長すること、2021年からはアメリカや中国、インドに加わってもらい、ポスト京都議定書を発効することで、合意が得られました。しかし日本はこれに参加しないことにしましたので、2013年から2020年の8年間に、削減義務を課せられない空白期間が生まれることとなりました。2021年以降については、今年の末にパリで開かれるCOP21において、話し合われる予定です。各国はそれまでに、削減目標を国連に報告することとなっています。

中国の習近平国家主席は、2030年をピークにして温暖化ガスを減らして行くことについて、昨年オバマ大統領と北京で合意しました。また、6月にはパリに李克強首相が赴き、2005年比で60~65%のGDPあたり温暖化ガス排出量を2030年までに減らす計画をオランド大統領に話しました。もっとも中国は、欧米や日本が温暖化ガス排出量を量そのもので話しているのに対して、GDP比の温暖化ガス排出量で話を進めています。中国のGDPはどんどん増える予定ですので、温暖化ガス排出量も増加の一途をたどります。しかし、GDPあたりの温暖化ガス排出量を減らすことで、2030年以降には実質的な温暖化ガス排出量を減らす予定です。

アメリカは、2005年比で26~28%の温暖化ガス排出量を2025年までに減らす案を国連に提出しました。EUは、2021年から2030年までの10年間に、1990年比40%の削減を目指します。日本は、2013年比で10%を2030年までに削減するという案を、先日提出しました。日本がEUのように1990年比とせずに2013年比とした理由は、2011年の東日本大震災の後に温暖化ガス排出量が増えたところに求められます。排出量が多かった2013年を基準とした方が、より減らしているように見えるためです。このように各国は、定義が統一されていないこともあって、様々な数字を出しています。しかし、それぞれがそれぞれの事情に応じてできるかぎり頑張ることになっています。

先にも触れましたが、日本は、京都議定書の延長には参加しませんでした。2011年の東日本大震災で原子力発電が使えなくなったため、代わりに火力発電所を使ったところ、温暖化ガスが増加し、削減の約束をすることができなくなっていたためです。また、アメリカや中国、インドが参加しない中でも、これまで日本は削減を頑張ってきていたので、さらに削減義務を負いたくなかったということもあります。

今日の話をまとめます。
京都議定書の延長に日本は参加しなかったものの、今年末のCOP21にて、2021年から発行する新たな枠組みが作られることになっています。日本は2030年までに2013年比26%の削減、アメリカは2025年までに2005年比26~28%の削減、EUは2030年までに90年比40%削減、中国は2030年までに2005年比でGDPあたり60~65%の削減を、それぞれ目指します。COP21において各国が合意に至ることができるかどうか、見物です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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