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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > サービス産業の海外展開② (国際経営、国際物流/星野裕志)

サービス産業の海外展開②

星野裕志 国際経営、国際物流

15/07/24

昨日は、熊本の味千ラーメンが、日本よりも海外で大変な数の店舗を展開しており、国内85店舗、海外11カ国で685店舗という話でした。今日はその成功の理由を解説します。

味千ラーメンのブランドで、日本の外食産業としては最大の海外店舗数を誇る熊本の重光産業は、海外の展開に自社で投資をするというよりも、現地の企業との提携によって、パートナーの強みと自社の強みを合わせることで成功をされているとのことでした。提携戦略です。

製造業の海外展開といえば、やはり販売子会社を現地に設立するとか、現地の市場の成長が期待できるならば、現地に生産拠点を作るといったいわゆる海外直接投資を行います。提携ではなく、自社で行う内部化戦略といいます。

自社の品質やブランドや技術といったものが守られることを考えると、自ら子会社を設立することが必要になります。例えば、クオリティの高さやスマートで都会的なイメージの重視といったコンセプトのメーカーの製品が、現地の企業によって安売りのイメージを作られると、全体に悪影響を与えることが想像できます。そのように考えると一貫して自社で展開すると安心です。

その点、サービス産業であれば、海外に展開する上で自社の子会社を設立することが重要なのではなく、もっとも効果的かつ効率的に、自社のサービスが提供できれば良いということになります。現地の企業がパートナーとしてそれが達成できるのであれば、それも選択肢のひとつということになります。特に、家電やデジカメといったメーカーの販売する製品とは違って、サービスという無形の商品を現地で受け入れられるのは大変ですから、むしろその部分は現地の市場を熟知したパートナーに依存するということも有効なのかもしれません。

現地のパートナーに任せる提携戦略について、典型的な例が、ホテルです。ホテルというビジネスは、大きく所有と運営のふたつから成り立っています。土地や建物を所有するハードとサービスを提供するソフトの両面です。海外で不動産を所有して、運営からも収益を上げることを考えると、この二つの機能を分離することが考えられます。つまり現地の企業がハードを所有し、運営に専門性のある企業がサービスを提供するという方法です。

福岡にあるグランド・ハイアットやハイアット・リージェンシーはその例です。所有は福岡の地元の企業で、サービスは世界的なホテル・チェーンのノウハウが生かされるということになります。ハイアットにとっては、アメリカ人や多くの顧客が福岡に出張する際に、安心できるホテルが自社の予約システムで予約をされることで、福岡に展開する目的が達せされることになります。

別の例をあげると、アジアの多くの国々で日本企業が展開するコンビニエンスストアがあります。海外に行くとおなじみのコンビニが目につきます。これらは必ずしも日本企業が所有するのではなく、現地の企業がフランチャイズなどの方式で展開する際に、ノウハウを供与する方法です。これも直接投資というよりも、提携の戦略です。

店舗の運営ではなくノウハウの供与で、利益を得ることになります。もちろんそのためには、契約できちんとパートナー同士の役割分担が規定されることは必須ですし、提供するノウハウがしっかりと守られる必要があります。それができれば、味千ラーメンのように、現地の企業との提携によって、日本企業としては最大の外食チェーンを海外に展開するという成功に繋がります。サービス産業にとっては、提携による海外展開も重要な選択肢ということです。


今日のまとめ:製造業の海外展開といえば、現地に子会社を設立する内部化が一般的ですが、サービス産業であれば、提携戦略によって、パートナーとの間に補完関係やシナジーを発揮することやノウハウの提供で収益を上げることも、戦略として考えられます。

分野: 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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