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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > サービス産業の海外展開① (国際経営、国際物流/星野裕志)

サービス産業の海外展開①

星野裕志 国際経営、国際物流

15/07/23

今日はサービス産業の海外展開のお話です。日本の外食産業で、もっとも多くの店舗を海外に展開している企業は、熊本に本社のある重光産業という会社ですが、味千ラーメンといえばおなじみでしょう。つい先日QBSで私の担当している国際経営の授業に、ゲストスピーカーとして、重光産業の副社長でCOOの重光悦枝(よしえ)さんにおいでいただきました。偶然にもその日に、インターネットの「東洋経済オンライン」でそのことが取り上げられていたのですが、日本でトップが海外に685店舗を展開している味千ラーメン、2位が吉野家の630店舗、3位がモスバーガーの316店舗だそうですから、トップの2社が飛び抜けているということになります。

味千ラーメンは熊本には、56店舗もあるそうですが、福岡には実は1店舗だけで、福岡空港の近くにあるそうです。ラーメンのチェーンが、日本全体を合わせて85店舗なのに、海外で685店もあるというのはとてもユニークです。

味千ラーメンは、台湾から日本にこられた創業者が、1968年に熊本で創業されたそうですが、故郷の台湾と久留米ラーメンを合わせて、独自の豚骨ラーメンを考案されたそうです。福岡はもちろん豚骨ラーメンの本場ですから、あえて競争の激しいところを避けて、その分が海外に展開されていることになります。


中国に615店舗、シンガポールに20店、アメリカに13店、オーストラリアに9店と、685店舗あります。豚骨ラーメンの本場の福岡への参入を避けて、ラーメンを中国に持ち込むという発想がおもしろいですね。ただ、ラーメンは中華料理というよりは、もともとルーツは中国だとしても、日本で改良を遂げた麺料理だそうですから、中国でも新鮮に受け入れられたようです。

例えば、かにかまやアボカドを入れたカリフォルニア・ロールやクリーム・チーズを入れたフィラデルフィア・ロールといった巻きずしがありますが、日本のお寿司が海外で独自の発展を遂げたという意味では、同じかもしれません。あるいは、中国でペットボトル入りの烏龍茶は、サントリーが持ち込んだコンセプトですから、同様と言えるかもしれません。

味千ラーメンが海外に本格的に展開を始めたのは、1996年の香港が始まりだそうですが、2010年に上海で開催された万博に出店すると一日8,000食が売れたそうですから、まさに中国の人たちの味覚にヒットしたのでしょう。

始まりは、1995年に香港のアントレプレナーが、ぜひ中国で味千ラーメンを展開したいということから始まったプロジェクトで、香港企業との提携によって、大成功を収めたということです。つまり、豚骨ラーメンの味や品質は日本の重光産業が徹底的にこだわり、マネジメントは現地の企業が行うことで、これほどの成果を挙げたということです。日本の味にこだわりつつ現地の嗜好に合わせたトッピングの工夫があるようです。オーストラリアでは、ステーキとか。

サービス産業の海外展開には、現地の子会社を設置するだけでなく、フランチャイズやノウハウの供与という形態があります。熊本の重光産業にとっては、中国やその他のアジアやアメリカのような未知の市場で、自ら投資をするよりも、むしろ現地のパートナーとの間で、それぞれの強みを生かした成果と言えるでしょう。この提携戦略については、明日解説したいと思います。


今日のまとめ:日本のサービス産業は、製造業に比べて海外で余り成功しているとはいえませんが、その中で国内よりも海外で多くの店舗を展開されている企業の例をとって、成功要因を考えてみました。

分野: 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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