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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > LNGの輸送① (国際経営、国際物流/星野裕志)

LNGの輸送①

星野裕志 国際経営、国際物流

15/06/23

この番組でも何度かお話をしてきましたが、来年はパナマ運河の拡張工事が完成して、大型の船舶が運河を通行可能になることに伴って、アメリカからの日本へのシェールガスの輸入が開始されます。今まで中東の原油に依存してきた日本のエネルギーの供給は、距離的に近いロシアやアメリカやカナダ、オーストラリアからの天然ガスに大きく変化することになります。今日と明日の二回で、日本のエネルギー供給として、LNG輸送のことについてお話ししたいと思います。

2013年の世界の天然ガスの産出量 は、3兆413億立法メートルであり、天然ガスの主な産出国は、ロシア、イラン、カタールといった国です。そして、その約3分の1にあたる1兆359億トンが海外に輸出されています。この天然ガスの輸出の方法としては、パイプラインによるものと液化した天然ガス、これをLNGといいますが、船舶などで輸送されます。

パイプラインによる輸送が、約710億立法メートルであり、主にヨーロッパや北米向けに輸出されているのに対し、液化した天然ガスは325億立法メートルであり、圧倒的に多くの量がアジアに向けて輸送されます。天然ガスの特徴として、マイナス162℃に冷却すると液化して、ガスのときの600分の1の体積になるので、輸送にも保管にも便利です。この液化した天然ガスが、Liquefied Natural Gas LNGと呼ばれます。今脚光を浴びているシェールガスもまた、天然ガスに含まれます。

ロシア、イラン、カタールなどで産出された天然ガスが、パイプラインでガスの状態か、液化されたLNGという形態で、船で輸送されますが、世界のLNGの最大の輸入国は日本です。一昨年は、321億立方メートルのガスが、LNGとして輸出されましたが、そのうちの3 分の1以上の122億立方メートルが日本向けでした。世界には、LNGを輸送するLNG船と呼ばれる巨大なガスタンクを複数積載した専用の船がありますが、2014年の時点で、世界の404隻のうち、88隻が日本への輸入に従事していました。

日本はエネルギーのほぼ全量を海外からの輸入に頼っていることは広く知られていることですが、日本に輸入されるLNGの約7割が電力に、残りの3割が都市ガス用に利用されています。まずガスで言えば、国内の都市ガスの約96パーセントは、LNGによるものです。また電力について言えば、電気事業連合会の調査によれば、2013年度の国内電力会社10社の発電電力量合計の52.6パーセントに当たる3,910億KWhが、LNGによる発電となっています。クリーンなエネルギーとして注目されながらも、1985年から2010年までは、電源別発電量において、LNGが全体の20パーセント台を超えたことはなかったのですが、2011年の東日本大震災以降は、LNGの需要が一層高まってきています。

中東の石油に依存してきた日本が、エネルギーの供給源を世界中に拡大することは良いことだと言えます。日本の輸入元は、現在オーストラリア、カタール、マレーシア、ロシア、インドネシアが上位5カ国ですが、来年からはアメリカとカナダも加わることになります。そう考えると、輸入ソースの拡大や安定性を考えると、多様性という面でもリスクヘッジという面でも、とても良いことだと思います。

今日のまとめ:来年に予定されているアメリカからのシェールガスの輸入で注目されているLNGの輸送について、産地と消費地の関係を世界最大の輸入国である日本の例で、説明しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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