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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > LNGの輸送② (国際経営、国際物流/星野裕志)

LNGの輸送②

星野裕志 国際経営、国際物流

15/06/24

昨日は、液化した天然ガスを船で輸送するLNG輸送について、お話をしました。日本が世界最大の輸入国であり、従来の中東からの原油への依存に代わって、エネルギーの供給元の多様化にも繋がっているということでした。

LNGというと新しいエネルギー源というイメージがありますが、日本に輸入が開始されたのは1969年のアラスカからであり、1972年からはブルネイからも輸入が始まっていますから、もう40年以上ということになります。

今日はなぜ日本が世界最大のLNGの輸入国であり、LNG輸送においてプレゼンスが高いかについてお話ししたいと思います。これは、日本が世界最大だとすれば、韓国が世界第二位の輸入国であることも同じ理由です。世界第一位が日本、第二位が韓国ということから、日本も韓国もエネルギーの調達をほぼすべて海外に依存しているので、安定供給は国家的な重要課題であると言えます。さきほどお話ししたアラスカやブルネイからのLNGの輸送は、日本の電力会社やガス会社がLNGを購入するに当たって、海外の海運企業によって、外国籍の船舶で輸送されてきたLNGを日本で引き取ったにすぎません。

その後日本では、1983年にインドネシアのバダックからのLNGの輸入に、国を上げて取り組みました。輸入したのは、中部電力、関西電力、大阪ガス、名古屋の東邦ガスであり、発電とガス用でした。船舶の建造に当たっては、日本開発銀行(現在の日本投資政策銀行)から融資を受けて、日本の造船会社としては、初めて三菱重工、三井造船が、既に建造実績のある川崎重工と共に、3隻のLNG船を建造しました。

さらに、輸送に携わる海運企業は、当時中核6社と言われた日本の大手6社の海運企業がすべて相乗りでプロジェクトに参加し、実際には日本郵船、商船三井、川崎汽船が、一隻づつのLNG船を運航しました。また、日本の総合商社は、次々と世界のLNGのプロジェクトに、巨大な石油メジャーなどと並んで参画してきました。つまり、日本へのエネルギーの安定供給に向けて、日本の関係業界が、すべて連携し協力し合いながら参加し、LNGの輸送について組織学習を行なってきたと言っても良いかもしれません。LNGの輸入は、日本の様々な業界を巻き込んだ国家プロジェクトだったのです。

単にLNGを輸入するだけではなく、日本で船舶を建造し、日本の海運企業が輸送に関わり、総合商社などが積極的に世界のプロジェクトに参画して行ったことで、ノウハウを蓄積していったことが、まさに日本の企業をLNGプロジェクトの世界のメジャー・プレイヤーにしてきたといえます。

例えば、世界で運航されている404隻のLNG船のうち、現在半分近くの177隻を日本の海運企業3社が運航していますし、商船三井と日本郵船は、共に67隻づつを運航して、世界のトップです。

日本の海運企業が、世界の船腹量においてトップにあるのは、自動車輸送の自動車船でも、製紙原料を輸送するチップ船でも同じ構図です。つまり日本で世界のトップクラスの国際競争力を持つ産業は、輸送においても海運企業と共に、輸送力の強化に向けて取り組んできた結果だと言えます。

それは世界第二位のLNG輸入国の韓国でも同じです。韓国の海運企業、造船会社は、積極的に経験を積みながら、世界のLNG輸送のシェアを高めています。

今日のまとめ:日本へのLNGの輸入は、エネルギーの安定供給を目的とした国家プロジェクトであり、それに参加した日本の造船会社や海運企業や総合商社が経験を蓄積することで、世界のメジャー・プレィヤーとして国際競争力を高めてきたと言えます。

分野: 国際ロジスティクス 経営戦略 |スピーカー: 星野裕志

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