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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > エネルギー関連のビジネスモデルの特徴3 (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

エネルギー関連のビジネスモデルの特徴3

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

15/06/11


・次に、「価値」を「顧客」に届ける「チャネル」だが、固定的な水素ステーションのみならず、普及初期には移動式のステーションで水素を供給するビジネスがあっても良い(灯油を積んだトラックが冬場に移動販売するイメージ)。

・次に「顧客との関係」だが、ステーション数が少ない現在は、兎も角にもステーションができるだけ近い場所に立地し(ユニバーサル・サービス)、利用できる状態にすることが何よりも重要だ。理想的には7~8分以内での移動の範囲の立地が望ましいが、当面は15分程度といった移動時間でも致し方ない。

・次に「収入」だが、水素の販売価格1,000円/kgは戦略的に付けられた価格で、採算性は厳しいと言われる。ステーション設置のコストダウンと顧客の増加によって採算性を確保するには、ある程度長期的な視点で取り組む必要がある。

・次に、「価値」を「顧客」に届けるために必要な「主要な活動」だが、水素ステーションの設置を増やそうとすると、①政府への規制緩和の働きかけ、②そのための技術開発と、安全性確保およびコストダウン、③仲間づくり(他の供給業者の巻き込み)がカギとなる。安全性のデータ蓄積とコストダウン、政府の規制緩和がどの程度迅速に進むかによって、水素供給事業の成否が決まるといっても過言ではない。

・次に上記「活動」に必要となる「主要な資源」だが、何よりも低コストで安定して水素を製造し供給するための技術開発への投資が最も重要だ。これは、まだしばらく時間を要すると考えられ、長期的な視点で継続しなければならない。また、既存のサプライチェーンの有効利用がコストを左右する。福岡市では、下水処理場の汚泥を活用した水素製造とステーション設置の可能性について実証実験が進んでいる。

・次に「パートナー」だが、燃料電池自動車を普及させようとする自動車メーカーの動きは重要だ。また、場合によっては、エネルギー業界のプレーヤーを束ねて、個別企業毎では高すぎる投資負担(リスク)を緩和しながらステーションを普及させるようなイニシアチブが必要になるかもしれない。また、政府の動き(補助金制度の創設や規制緩和)も重要だ。また、メディアを通じた市民向けの正しい情報発信と水素エネルギーの社会受容性の形成も不可欠だ。

・最後に「コスト」だが、技術開発費用やステーション設置コストはまだまだ採算性には程遠い。そのためには、政府補助などを適切に投入しながら採算性を下支えせざるをえない。従って、これらコストダウンは長期的な視点で取り組んで、普及を図る必要がある。

・以上、ビジネスモデル・キャンバスを用いると、比較的エネルギー関連ビジネスに特徴的な点が浮かび上がることが判る。エネルギー関連に特有の特徴である"P.S.P.(Price, Scale, Public)"を関係者が正しく理解して、水素社会を実現していくことが求められる。

【今回のまとめ】
・"P.S.P.(Price, Scale, Public)"を関係者が正しく理解して、水素社会を実現していくことが求められる。

【参考】水素ステーション事業のビジネスモデル・キャンバス

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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