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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > キーワードで理解するイノベーション・マネジメント(2) (技術経営、科学技術政策/永田晃也)

キーワードで理解するイノベーション・マネジメント(2)

永田晃也 技術経営、科学技術政策

15/06/04

今回のまとめ:研究とは新たな知識を探索する活動、開発とは知識を使って新たな製品・サービス、製法、システムなどを生み出すための活動です。

 今回は、技術的なイノベーションを実現する上での主要な活動である「研究開発」を取り上げます。

 このキーワードは、英語のResearch and Developmentに対応しています。しばしばR&Dと短縮表記されますが、英語ではR--研究と、D--開発が常にandで結ばれ、両者が正格の異なる活動であることが明示されています。

 研究開発活動については、OECDの主導により1960年代から統計調査の国際的な標準化が進められてきており、日本では総務省統計局が毎年実施している『科学技術研究調査』によって実態が把握されています。
 そこで使用されている定義を短縮して言えば、要するに研究とは「新知識を得るための活動」、開発とは「知識を活用して製品、システム、行程等を新たに導入したり、改良したりする活動」ということになります。

 この統計調査では、研究をさらに「基礎研究」(Basic Research)と、「応用研究」(Applied Research)に区分しています。
 基礎研究とは、特別な応用や用途を考慮せず、仮説や理論を形成したり、事物についての新しい知識を得るための活動、とされています。
 これに対して応用研究とは、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめたり、新たな応用方法を探求する活動、とされています。

 実際の研究開発活動において、研究と開発に対して、それぞれどの程度の比重をかけるのかは、その担い手である組織の目的によって異なります。
 プリンストン大学のドナルド・ストークスという研究者は、研究開発が基礎理論の理解を目的としているのか、また実用的な開発を目的としているのかという2つの軸を使って、研究開発のタイプ分けを行っています。軸が2つですから、これは4つの象限を構成します。
 まず専ら基礎理論の理解を目的とする活動が位置する象限は、原子物理学者の名前をとって「ボーア象限」と呼ばれています。
 逆に専ら実用的な開発を目的とする活動が位置する象限は、「エジソン象限」と呼ばれています。
 一方、基礎理論の理解と、実用的開発の両方に該当する象限は、細菌学の基礎を確立するとともに、病気の予防法や治療法に多大の貢献をなした科学者の名前をとって「パスツール象限」と呼ばれています。

 企業も大学も、その研究開発活動は、これら全ての象限に多少とも関わっているのですが、関わり方の程度は大きく異なります。
 この点は、調査統計からも明らかです。平成26年度「科学技術研究調査報告」によれば、平成25年度における我が国の研究開発費総額は18兆1,336億円で、そのうち自然科学分野の研究開発費に占める基礎研究の割合が15.2%、応用研究は22.8%、開発は62.1%と報告されています。
 これは全体の構成比ですが、企業のみの研究開発費について性格別の内訳をみると、基礎6.9%、応用18.6%に対し開発が74.5%もの割合を占めています。一方、大学では基礎研究の割合が54.2%と高く、応用は36.8%、開発は9.0%となっているのです。

分野: イノベーションマネジメント |スピーカー: 永田晃也

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