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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「イギリスの歴史(20):共和制の時代 (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

「イギリスの歴史(20):共和制の時代

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

15/05/06


  「イギリスの歴史シリーズ」20回目の今日は、「共和制の時代」についてお話していきます。

  ご存知の通りイギリスは連合王国といわれています。実際は、王様が本当に政治的権能をふるっているわけではありませんが、国の制度としては、王様が治めている国という形をとっています。しかし、昔からずっと王国だったわけではありません。一時王様を廃した時代もありました。17世紀半ばのおよそ10年間というごくわずかの時代でしたが、非常に激動の時代でした。そのため、イギリス国民の頭の中には非常に脳裏に焼きついている時代です。前回、共和制の時代に突入するまでの経緯や、王様が処刑されたことにより共和制の時代が始まったということについてお話していたかと思います。今日は、その続きのお話です。

  共和制の時代を治めていたのは「クロムウェル」という人です。名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。オリバー・クロムウェル。この人はケンブリッジの出身で、隣のイーリーという所に実家がありました。クロムウェルは軍事的な能力に長けていた人で、軍事力の面で頭角を現し、徐々にリーダー的存在になっていった人です。そのためクロムウェルの戦いは激しく、「天空の城ラピュタ」のロケ地として知られるウェールズの城の中に、ケルフェリー城というタワーが傾いた石造りの建物があるのですが、地元ではクロムウェルの攻撃によって傾いたものではないかと言われています。事実がどうかは定かではありませんが、このようなことでも有名になるくらい、非常に戦闘が激烈だったようです。この方は護国卿、(英語では"Lord Protector"と言いますが)という名前の職種につきました。人間とは悲しいもので、権力を持つと、次第に横柄になっていきます。クロムウェルも例外ではなく、王様ではありませんが、一国一城の主になったわけですから、次第に横暴になっていきました。世の東西問わず謙虚な人があまりその国のトップに就いたためしがありません。この方も独裁に走っていきます。
勿論、議会側に属していたため、議会で物事を決めていこうとしていたわけですが、クロムウェルは議会の人に議員を辞めさせるようなことをしています。当時は貴族院がありましたが、当然王政を辞めるわけですから、貴族の方の議会も禁止ということになります。そこまではまだ良かったのかもしれませんが、段々国民にも統制を始め、娯楽も禁止します。そのため、この時代には劇場が上映禁止になるなど非常に暗い時代になっていきます。その上、王様と宗教(つまりイギリス国教会)が表裏一体だったため、いわゆる国教会も廃止する、ということまで始まりました。どういうことかというと、キリスト教的な行事も一切禁止しました。そのため、クリスマスなどもすべて廃止になっていたわけです。

  このようなことからも想像できるように、皆さん非常に苦しい思いをしたわけです。実質上の軍事政権といえるような時代だったと思いますね。そこからライバルであったオランダを締め出すための特別な法律を作ったり、オランダと戦闘行為に及んだり、スペインを攻撃しに行くなど外国に対してもかなり横暴な態度に出た時代でした。皆さん、ここまで聞いたらこの時代に住みたいとは思いませんよね。

  幸か不幸かクロムウェルは、病気で亡くなります。長生きしていたらイギリスの歴史も相当変わったのかもしれません。クロムウェルの死後、息子が跡継ぎになりました。非民主的な世襲制です。しかし、こうした人の跡継ぎというのは、大して力のない人が多く、クロムウェルの息子も例外ではありませんでした。クロムウェルの死後、息子が跡継ぎに決まるとこの瞬間にもう議会の人たちは、ここぞとばかりに様々な取り決めを廃止しようという話になったわけです。そのため息子は当然「護国卿」という地位を外されます。その後議会は話し合い、王様をもう一度呼んでこようという情けない結論に至ります。こうしたいきさつにより、イギリスの王政復古(英語では"Restoration"といいますけども)が行われ、また王様が戻ってきた、というわけです。では誰が戻ってきたかというと、処刑されたチャールズ一世の息子が王様になりました。

  皆さん、想像がつくと思いますが、形だけ共和制にしたところで、独裁者が独裁を始めたら意味が無いということをこの時代はよく表しているといえます。ですから皆さんがもし、クーデターを起して日本の権力を握ったら、他の皆さんに優しくしましょうというアドバイスであります。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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