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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 責任センターとは? (企業財務管理、国際金融/平松拓)

責任センターとは?

平松拓 企業財務管理、国際金融

15/04/22

  今日は以前にも一度お話しましたが、私が担当しています「マネジメント・コントロール」という科目に関連する「責任センター」の考え方についておさらいをしたいと思います。

  企業では、経営者が全ての意思決定を行えればそれに越したことはないのですけれども、数限りない意思決定がありますので、企業の中に部や課などの社内下部組織を設けて、それらに一定の達成責任とそれを遂行するための意思決定を委ねます。この「達成責任」というのは、企業の戦略の実行や目的の達成につながるものでなければなりません。そして、達成責任を与えられた下部センターが「責任センター」という今日のテーマにあたる部分になります。

  「責任センター」は、収益センター(レベニュー・センター)、費用センター(エクスペンス・センター)と利益を達成責任とするプロフィット・センター、こういったものに分類することができます。責任センターというと、企業内に"責任センター"という部署が出来るのかというふうに思ってしまいますが、そうではなく、営業部とか経理部など、通常に見られる企業内下部組織の中で、なんらかの達成責任を持たされたものということです。逆に達成責任を遂行する為に"セクション"が設けられていると考えてもらっても良いと思います。

  1つ例を挙げてみましょう。ペットボトル入りのお茶を製造・販売している会社の営業部門の場合、基本的には社内の製造部門から商品は提供されます。そこで一定の販促費の使用方法或いは販売方法などについては裁量権限が与えられるので、そのかわりに収益、売上の目標を達成するという責任を与えられているわけです。

  このように、収益という形でその部門のアウトプットについての金額的な責任を負うセンターのことを「収益センター」と呼びます。一方の製造部門はというと、おそらくは営業部門がつくった販売計画に沿って商品を生産・提供するということが期待されるわけですけれども、その際費用を目標内に抑えるということが主たる責任ということになります。このように、費用という形でその部門のインプットについての金額的な責任を負うセンターが「費用センター」と呼ばれます。

  今の例は飲料メーカーで飲料事業という1つの事業を行っている企業の場合でしたけれども、それに対して、多くの事業を行っているような比較的規模の大きな企業に見られる「事業部」とか「事業本部」といったような社内組織体制をひいているところがあります。例えば家電メーカーのテレビ事業部であるとかIT関連事業などがその一つです。その中には、費用センターとしての製造機能も、それから収益機能としての営業機能も両方含まれているのが一般的です。つまり、収益とそのための費用、アウトプット、インプット両方について金額的な責任を負える形になっています。こうした責任センターのことを「プロフィット・センター」と呼びます。

  アルフレッド・チャンドラーという人が、「組織は戦略に従う」と言っていますけれど、企業は採用する戦略に応じて組織形態を選択します。その一例として、多くの事業に参入するのか、或いはその単一の事業を行うのかによって組織形態が変わってくるわけですけれど、最初の例に挙げたように飲料のみを製造販売するメーカーなどの場合は、大きく製造や営業など機能に応じて社内組織が分化した組織(機能型組織)形態をとっており、「収益センター」や「費用センター」が多く見られます。
これに対して、後段の家電メーカーなどの場合は、多種類の商品を扱うので、「事業部」(英語で「ビジネス・ユニット」)制度を取っているケースが多く、「プロフィット・センター」が多用される傾向にあります。また、事業部自体は「プロフィット・センター」の場合でも、その更に下部組織として「費用センターと」しての製造部門とそれから「収益センター」としての営業部門が存在しているような入れ子構造になっていることもあります。

まとめ:「責任センター」とは、企業の下部組織が経営者や上部組織に代わって意思決定を任される代わりに一定の達成責任を担うというものですが、その達成責任の性格によって大きく収益センター、費用センター、プロフィット・センターなどに分類されます。それぞれの責任センターが負っている達成責任を明確に認識することが企業の戦略の実行には重要です。

分野: ファイナンシャルマネジメント 国際経営 |スピーカー: 平松拓

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