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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ウクライナ (企業財務 M&A/村藤功)

ウクライナ

村藤功 企業財務 M&A

15/04/13


今日は、ウクライナについて話します。
ウクライナにおいて、ロシアと親しかったヤヌコビッチ大統領が追放されてポロシェンコ大統領が就任したところで、クリミアが独立し、ロシアへ併合されることとなりました。さらには、ウクライナ東部に位置するドネツクやルガンスクもロシアへの併合を望むようになり、事態は未だ収拾を見ません。

2014年9月に、ウクライナ軍と親ロ派は停戦合意にいたりました。しかし戦闘が収まることはなく、2015年2月、ドイツとフランスがそれを止めようと動きました。これは、ロシアとアメリカの代理戦争がウクライナで起こることを避けるためです。ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領の仲介で、ウクライナのポロシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領は停戦に合意しました。親ロ派とウクライナ軍の重火器をお互いに50km以上引き離し、緩衝地帯を設け、OSCE(欧州安全保障管理機構)へその監視を託しました。ウクライナはその後、ドネツクとルガンスクに「特別な地位」を与える法を成立させましたが、ロシアはこれに対して自治権が不十分であり、ドイツやフランスが当該地域に大きな権限を与える必要があるとして批判しています。停戦後も親ロ派は戦闘を続け、停戦合意地区に入っていないものとして、親ロ派はデバリツェボを手中に収めました。これを受けてウクライナでは、親ロ派に対する強硬論が強まることになりました。そもそもOSCEは、軍隊を有しません。そこでウクライナは、国連の安全保障理事会の平和維持部隊や、EUの警察部隊の派遣を要請しました。結局は、OSCE監視団を500人から1000人へ増やすところで決着したようです。

今後ウクライナの東部がどのようになるのか、正直に言ってまったくわかりません。ソ連とアメリカが憎み合っていた冷戦の時代は、東側が崩壊することで終結しました。ソ連の後を継いだロシアは、東側の諸国が皆EUに加盟することに不満を持っています。冷戦時代の名残でもあるウクライナに残る親ロ派がロシア編入を求めていることを鑑みれば、従前の長い戦いがまだ続いていると見ることもできます。

一方でロシアでは、原油価格が下がっています。もともとロシア経済は原油やガスなどのエネルギーで成り立っていますので、それらの価格の低下による影響を大きく受けます。今回のウクライナ問題によって西側諸国からの経済的制裁を受けて、ロシアの通貨であるルーブルの価値が去年の年末にかけて急落しました。ロシア経済はがたがたの様相を呈していますが、プーチン大統領がかつてのソ連を復活させるかもしれない立派なリーダーと目されていることもあって、彼のリーダーシップに陰りは見えず、ウクライナ情勢が落ち着く気配もありません。

ロシアが拳を振り上げれば、アメリカもさらに拳を振り上げて、ウクライナに軍備を渡そうとします。このままロシアとアメリカが戦うことになると、ドイツやフランスは非常に困ります。ドイツは冬にロシアから天然ガスを購入していますが、それも難しくなるでしょう。また、徴兵制を導入する必要も出てきます。日本が中国とアメリカが戦われると困ってしまうように、ドイツやフランスもアメリカとロシアに戦われると困るのです。

今日の話をまとめます。
ウクライナ東部のドネツク、ルガンスクにおける親ロ派対ウクライナ軍の戦いが長期化しています。ドイツとフランスの仲介で、プーチン大統領とポロシェンコ大統領が停戦に合意しましたが、親ロ派は停戦後にデバリツェボを陥落させた一方で、ウクライナがドネツクやルガンスクに認めた「特別な地位法」にロシアは満足していません。ウクライナは、インフレや通貨安、経済縮小、債務支払のための緊縮策などで財務的にも追い込まれています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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