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税制改革

村藤功 企業財務 M&A

15/04/06


今日は、税制改革について話します。
最近では、アベノミクスや黒田総裁の異次元の金融緩和によって、インフレの心配はあるものの、税収が上がっているところです。そうした中で、税制の改革が進んでいます。

日本の法人税は、世界の標準と比較すると高すぎます。そのために、このままでは企業が日本から外へ出て行きかねないという懸念が、以前より存在します。そこで安倍総理は、実効税率を2015年度から2.5%引き下げることにしました。そうなると財務省は、その分の財源を他から持ってこなければなりません。財源確保案としては、外形標準課税の強化や欠損金繰越控除の縮小、企業が受けている配当課税強化、研究開発減税の縮小が出てきています。このうち外形標準課税とは、企業の給与総額や資本金をベースに課税するものです。

他にも、相続税の非課税枠を縮小することで、税収を増やそうとしています。これまでの課税世帯は約600万世帯でしたが、二倍の約1200万世帯にまで対象を拡げる予定です。どうするかというと控除を削減することになりました。従来は相続時の基礎控除が5000万円で相続人一人あたりの控除は1000万円でした。夫が死亡し、妻と二人の子供が相続する場合、基礎控除5000万円と3人の相続分の控除3000万円、合わせて8000万円までが非課税となっていました。しかし今回、それらを4割削減することにしました。基礎控除は3000万円に、相続人一人あたりの控除は600万円になります。さきほどの家族の例で言えば、夫の財産が4800万円を超えると課税されます。但し、そもそもの対象世帯数が少ないため、それが二倍になったとしてもたいした話ではありません。

次に、消費税について見ていきましょう。2014年の4月に、5%から8%に上がりました。第2段階の引き上げは当初の2015年の10月からの予定を一年半延ばすことになりましたが、2017年の4月からは10%になるとされています。しかし、経済状況が悪ければ上げないという話も出ており、どのようになるかわかりません。消費税を8%に上げる前から家計の貯蓄は赤字となっていたため、8%に上げた当初は、皆、購入を控えていました。最近になってようやく状況が落ち着き、消費税を上げた影響も薄くなっています。

また、タックスヘイブン税制(国際課税)にも着目しておく必要があります。多国籍企業には、課税所得を税率が低い国へ移し、税率が高い国における課税を回避する可能性があります。移転先としては、ケイマン諸島やジャージーアイランドといった南の島が有名です。近年、先進国、特にヨーロッパ諸国が、法人税の税率を下げてきています。日本政府が当該国をタックスヘイブンと認めた場合、そこに置いてある利益を日本の利益とみなして課税することができます。以前は法人税の税率が25%の国をタックスヘイブンと呼んでいましたが、各国において税率が低下してきたため、2010年以降には20%以下の国をそのように言うようになりました。ところが今年の四月から、イギリスが法人税率を21%から20%にさらに下げる予定ですので、このままではイギリスもまたタックスヘイブンとみなされます。そうすると、日本企業のイギリス法人の利益は原則としてタックスヘイブン税制に引っかかるため、日本の税率で課税されることになります。これを回避するために、20%以下ではなく20%未満の国をタックスヘイブンと呼ぶことにしました。

今日の話をまとめます。
年度が替わる今の時期には、様々な税制改革が行われています。もっとも大きな変化は、法人実効税率の2.5%引き下げです。それに伴って、財源を他のところからとることになりました。消費税については、昨年4月に8%に上げましたが、さらに10%へ引き上げるのは一年半先のことになりました。相続税については、控除を4割削減しました。タックスヘイブン税制についても、タックスヘイブンとみなす税率を下げています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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