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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 食のグローバル化① (国際経営、国際物流/星野裕志)

食のグローバル化①

星野裕志 国際経営、国際物流

15/04/09

以前にこの番組を聞いていたら、鈴木先生のイギリスの事情の中で、菜食主義のベジタリアン(vegetarian)やヴィーガン(veganism)について話されていました。イギリスのレストランでは、メニューに、ベジタリアンやヴィーガン向けの料理に印がされて、ごく普通に提供されているとのことでした。

ベジタリアンやヴィーガンは、日本語で菜食主義とも訳されていますが、ベジタリアンは卵や乳製品などの酪農製品は食べるのに対して、より厳格なヴィーガンになると、一切の肉や魚介や酪農製品も口にしないようです。他にも様々なカテゴリーがあるようですが、そもそもこのような考え方は、健康上だけではなく、宗教あるいは倫理上のいずれかの理由から行われているようです。

国土交通省観光庁の資料によれば、人口に占めるベジタリアンの比率は、殺生をしないヒンドゥ−教徒の多いインドでは42パーセント、アメリカで14パーセント、イギリスやドイツで人口全体の約一割にも達するようです。今の資料の引用がなぜ観光庁から出されているのかというと、日本が今後海外からより多くの観光客を受け入れる上で、これらの食のニーズに対応できないことになると、大きな制約になるからです。今日は、特定のセグメントを対象とした食の提供を中心に、食のグローバル化についてお話をしたいと思います。

私自身の個人的な話ですが、ある理由で過去1年半にわたって、肉を食べていません。福岡は食の豊かなところですから、お魚や新鮮な野菜と果物を食べている限りまったく困らないのですが、それでも時々制約を感じることがあります。例えば国際線に乗って海外に行く時に、毎回事前にベジタリアン用の特別食をお願いするのですが、卵や乳製品を除く機内食であれば、とても食べられたものではありません。ほとんど機内食に手を付けないのを見て、この食事は評判が良くないのですと、客室乗務員の方が気の毒そうに話されていました。
日本の航空会社と海外の航空会社、日本で積み込む機内食と海外で積み込む食事を詳細に比較したわけではないので、あくまでも限定的な観察ですが、日本の空港発で日本の航空会社であれば、ベジタリアン用の機内食を注文する乗客が必ずしも多くはないので、経験の蓄積と料理の工夫がそれほどされていないのかもしれません。ニーズの少ないところでは、それほど特定の分野が発達してこなかったのは、不思議なことではありませんから。

一方で、さきほどご紹介したように、インドのベジタリアンが人口比42パーセント、アメリカの14パーセントとなると、ベジタリアン、ヴィーガン向けの機内食も、一般の機内食と同様に、本気で対応せざるを得ないということかもしれません。

例えば、多くの人種が集まるニューヨークであれば、様々な対象を想定して食が提供されています。イスラム教の戒律に沿った食である「ハラール・フード」や、ユダヤ教の戒律に従った「コーシャ・フード」などもあり、それぞれ専用のレストランがあるだけではなく、路上の屋台でさえ、そのような表示がされています。ニューヨーク市の約800万人に占めるユダヤ人の人口は、2割以上だそうですから、それらは日常的に求められていることと言ってもよいでしょう。

野菜中心の食生活の人たちについて、健康上、宗教あるいは倫理上のいずれかの理由とお話しました。本来宗教上の理由によるハラールやコーシャについてさえも、最近は健康志向からこれらの食を求める人がいるようです。そのようになると、日本では未発達あるいは未成熟の分野である多様な食事の提供ができないと、外国人を迎える上で障害になる一方で、この分野に対応することがチャンスにもなることになります。昨年は約1,340万人の外国人が日本を訪問し、現在「訪日外国人3,000万人プログラムの達成」が政策として掲げられています。現在の倍増以上ですね。2020年には東京でオリンピックも開催されます。

今日のまとめですが、ベジタリアンやヴィーガンといった特定のセグメントを対象とした商品提供について、食品を中心にお話をしました。これから多くの外国人を日本に迎え入れる上で、これらの対応が求められますし、また新たなチャンスにもなります。食のグローバル対応の必要性は、福岡でも同様かもしれません。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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