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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > クラウドファンディング『FAAVO』による新しい地域活性化(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

クラウドファンディング『FAAVO』による新しい地域活性化(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

15/04/03

・FAAVOを立ち上げた斉藤さんは、18歳まで宮崎で育ち、大学進学を機に上京し、そのまま東京で就職した、典型的な地方出身者だ。
・斉藤さん自身、地元のことが好きで気になるけれど、地元のために何か活動ができるわけではないので、都会に住む地方出身者と地元とをつなぐ仕組みができないか考えていたとのことだ。特に、東日本大震災を契機に、"地元"について改めて考えさせられることとなり、家族や地元にかんするサービスについて考え、所属する企業の新規事業としてFAAVOを立ち上げた。

・FAAVOは、県内で「地元を盛り上げる活動を行う人」と、県外の「地元好き」を結びつける仕組みを提供している。

第一県民:自ら手を挙げてプロジェクトを動かす起案者
第二県民:起案者に共感して、プロジェクトに参加し手伝う賛同者
第三県民:地元の活動が何となく気になるが、テレビやネットで見る程度の潜在層

・つまり、第一県民や第二県民が動かそうとするプロジェクトを、県外に住む第三県民が資金提供(商品やサービスの予約購入)の形でサポートし、立ち上げられるようにしよう、という仕組みなのだ。
・この仕組みを有効に機能させるため、FAAVOはウェブ上のプラットフォームを構築し、様々な地方発のプロジェクトを第三県民に対して判りやすくPRし、資金を集めやすくする仕組みを整えた。一般的には、地元でプロジェクトを立ち上げても、それを県外に住む地元出身者に効果的に発信することはなかなか困難だ。インターネットやSNSの発達で、物理的には情報発信が簡単になったが、逆に、必要な情報が埋もれてしまいやすい。

・この点で、FAAVOは地元を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングなので、全国にいる第三県民は、FAAVOのウェブサイトを訪れて出身県のプロジェクトを閲覧するだけで、どんな活動が行われようとしているか簡単に知ることができる。共感できる活動があれば、その場で資金提供が簡単に行えるのだ。そして、資金提供者には、集まった資金で生まれた商品やサービスなどの「お返し」が届く。
・ちなみに、募集期間内に目標調達額に達しなかったプロジェクトは一度終了する。この段階では、起案者には一切のコストが発生しない。

・更にユニークなのは、都道府県別のエリアオーナー制度をとっていることだ。2012年6月に、第一号としてFAAVO宮崎を立ち上げたのを皮切りに、2012年度は新潟、埼玉、熊本、石川、鹿児島、長野、2013年度は7地方、2014年12月時点で、32エリアでFAAVOが立ち上がっている。エリアオーナーとしては、NPO法人や株式会社、業種も一般の企業のみならず、新聞社や金融機関など様々だ。中には、自治体自らが手を挙げるケースもある(メガネで有名な福井県鯖江市など)。
・これまでの累計プロジェクト数は約300で、調達に成功した資金総額は7〜8千万円とのことである。
・九州域内では、第一号の宮崎、熊本、鹿児島、沖縄、福岡、と設立が相次いでいる。例えば、宮崎の女性芸術家が、アートマーケットの開催のためFAAVOで資金を集め、それが20回以上も継続される恒例イベントとして地元に定着したとのことである。ちなみに、このプロジェクトの場合は、支援者にはアーチストが作成した絵葉書やステッカーなどが提供されるとのことである。
・また、「飫肥杉」という日南市の方々が募集したプロジェクトでは、集めた資金で北米最大の家庭・ギフト用品見本市への出展を果たし、飫肥杉を使った食器など生活用品が高評価を得ている。

・FAAVOのもう一つの重要な側面として、マーケティングツールとしての活用、が挙げられる。地元を離れた第三県民は、FAAVOのウェブサイドをチェックし、共感するプロジェクトを発見したら、その場でプロジェクトに参加することができる。同時に、自分が共感したプロジェクトをツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って他人に拡散する。仮に、目標金額に達しない場合は、プロジェクト発案者はもう一度どこが悪かったのかを振り返って、プロジェクトの魅力をブラッシュアップし(流行り言葉で言えば"ピボット"し)、再挑戦することもできる。FAAVOでの共感をプロジェクトのバロメーターにすることができるという点で、有望なマーケティングツールになのだ。

・FAAVOを立ち上げた斉藤さん自身、FAAVOを始めて地元との付き合いの幅が広がったとのことである。従来は、年に2回ほど帰省して同級生と飲みに行く程度だったが、現在はFAAVOの関係で仕事上の付き合いも増えたという。都会に住む人がFAAVOに関わることで、そういった地元との付き合いが変わり、それがひいてはU-Iターンをスムーズにできる可能性がある。

・クラウドファンディングFAAVOによって、地元を地元出身者の手で元気にする取組が広がって欲しい。

【今回のまとめ】
・地域活性化に特化したクラウドファンディングFAAVOの取組が全国に広がっている。それによって、都会に住む地方出身者と地元とを結びつけるプロジェクトが数多く生まれ、地域活性化が進んでいる。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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