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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イスラム国と中東・アフリカ (企業財務 M&A/村藤功)

イスラム国と中東・アフリカ

村藤功 企業財務 M&A

15/03/31


今日は、イスラム国と中東・アフリカについて話します。欧米諸国では、イスラム国とウクライナを二大頭痛とみなしていますが、日本もこれについに巻き込まれ始めました。

イスラム国は、シリアや、イラクの北部に位置します。イスラム教スンニ派のうち過激派と言われる人たちが、2014年6月にイスラム国の樹立を宣言したのが始まりです。もっとも国際社会は、イスラム国を国とは認めていません。彼らは、アメリカやイギリスのジャーナリストや援助関係者を殺害し、その様子をインターネット上で公開しています。最近では、日本人の湯川さんや後藤さんが捕まり、2億ドルの身代金を日本政府は要求されました。しかし結局は湯川さんがまず殺害され、ヨルダンのリシャウィ死刑囚と交換される可能性が示唆された後藤さんも続いて処刑されました。イスラム国はこのように、日本をも敵国と認めだしているのです。なおイスラム国では、音楽や映画などの娯楽は禁止されています。男性は髭を伸ばし、女性は全身を覆うことになっています。イラク北部では、シリアで拘束したキリスト教徒の未婚女性150人を奴隷として売り飛ばしています。

気を付けなければいけない点として、イスラム国とイスラム教は異なるということを挙げておきます。イスラム教スンニ派内の特別なテロリストが樹立したものがイスラム国で、イスラム教とこれを同一視してはいけません。ところが最近では、一般のイスラム教徒に対する暴行なども生じてきています。

2014年の8月からはイラクで、9月からはシリアで、アメリカを中心とした有志連合がイスラム国を空爆しています。もともとオバマ大統領はアメリカ軍の中東撤退を進めており、今回も、空爆を行う一方で地上軍を投入しないと話していました。地上戦については、これをイラク軍やシリアの反政府軍、クルド人に、任せようとしていたのです。しかしアメリカ国内では、イスラム国に対する非難の声が高まったり、選挙で共和党に負けたり、オバマ大統領の「アメリカは世界の警察官ではない」の発言が取り沙汰されたりしたために、地上軍の派遣へ傾きつつあります。現状、イラク軍がイラク第二の都市であるモスルへ地上軍を進めており、その途上のティクリートを攻めているところです。

しかし、イラク国内においても、シーア派とスンニ派の対立など、イスラム国以外の問題が山積みとなっています。2003年にアメリカがフセイン元大統領を倒して以降、内乱が起きて収拾がつかなくなっているのです。フセイン政権の後を継いだマリキ政権はシーア派ばかりをえこひいきし、警察や軍隊にスンニ派が入れないようにしました。それに怒ったスンニ派の人たちが北に赴き、イスラム国の一部となったのです。アメリカがフセインを倒さなければ、イスラム国ができなかったかもしれません。

一方シリアでは、アサド政権と、アメリカが支援する反体制派の武装組織である自由シリア軍が戦いを起こしていました。両者が争っている間に、シリア北部にイスラム国ができてきたのです。アメリカとしては、アサド政権よりもイスラム国の方を問題視し、まずはイスラム国を潰すために空爆を始め、これからさらに地上軍の投入を行うところです。

問題は、シリアとイラクだけでは終わりません。中東やアフリカのテロリストが、イスラム国の傘下に入ると言いながらテロを起こし始めているのです。リビアでは2012年にはアメリカ大使がテロリストによって、チュニジアでは今年の2月にエジプトのコプト教徒21人がイスラム国グループによって、それぞれ殺害されました。さらには最近になって、チュニスのバルド博物館において、日本人3人を含む20人あまりの観光客が殺害されました。このように、いろいろなところでイスラム教関係の過激派が活動を始めているのです。

今日の話をまとめます。
シリアやイラクの北部を支配するイスラム国が、英米だけではなく日本をも巻き込んできました。アメリカを中心とした有志連合は、地上軍の投入を視野にいれています。こうした問題はシリアやイラクだけにとどまらず、中東・アフリカに拡大しています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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