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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コールド・チェーン② (国際経営、国際物流/星野裕志)

コールド・チェーン②

星野裕志 国際経営、国際物流

15/03/19

コールド・チェーンとは、温度管理の必要な商品を生産者から消費者まで、品質を維持しながら流通させる仕組みのことです。最近では安心安全な食品を求めることが、ますます重視されるようになっています。産地や流通経路や表示などに関するトレーサビリティには、鮮度管理などどのように輸送されたかということも含まれます。

昨日お話ししたフライドポテトだけではなく、海外から様々な食品が輸入されて、日本のスーパーなどの店頭に並ぶのは珍しいことではありません。鮮度と品質を保ちながらの輸送には、一般的にリーファー・コンテナと呼ばれる冷凍、冷蔵機能をもったコンテナが使用されます。

冷凍状態で輸送される食肉や水産物や冷凍食品、冷蔵やチルド状態で輸送される野菜や果物、15度くらいが最適と言われるワインなど、商品によって適温は様々です。バナナはマイナス3度くらい、トマトはマイナス1度くらいで氷結するそうですが、食品によって異なる摂氏0度からマイナス2〜3度の氷温といわれる温度を維持することで、鮮度がより長く持続できる上に、食品のもつ旨みを引き出すと言われています。これには氷温輸送が必要です。

非常に微妙な温度設定が必要ですが、リーファー・コンテナは、マイナス25度からプラス25度の範囲で、0.1度単位での温度設定が可能です。この温度を生産地から消費地まで、全体を通して維持することは容易ではありませんが、現在ではそれが可能だからこそ、食品がグローバルに取引されているというわけです。コールド・チェーンは、食品ごとの最適な温度管理だけでなく、湿度の管理や食品を劣化させるエチレンガスの影響などに対するきめ細かいケアが求められます。
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の2013年度の物流コストの調査では、要冷蔵の食品の売上高に占める物流費の割合は、8.6パーセントであり、常温輸送の食品に6パーセントに対して、4割以上も高いようですが、輸送に必要な機器などのコストや配慮を考えると当然のことかと思います。

ところで、九州の畜産の生産額が占める割合は、日本全国の約4割、野菜や果物の生産額は3割強であり、九州の各県がアジアを中心とする海外への輸出に力を入れていることはよく知られています。これまでにも、熊本や佐賀県からみかん、鹿児島県から牛肉、宮崎県のかんしょ、大分県のなしの輸出は、それぞれ年間で100トンを超えています。

福岡県でも、福岡農産物通商という会社を2009年に設立して、県産の農産物や食品加工品の輸出に取り組んでおり、福岡県産のイチゴの「あまおう」、イチジクの「とよみつひめ」、なしやかきなど、2016年度には輸出の目標額を20億円としているようです。

今後の本格的な輸出拡大には、高品質の畜産、農作物の生産が必要なことはいうまでもありませんが、ひとつひとつの生産者が個別に取り組むのではなく、共同で効果的なプロモーションを海外で行い、適切なコールド・チェーンを創り上げて、競争力を高めていくことが必要になります。

鮮度と品質を保つコールド・チェーンの確立は、食品自体の商品価値を高めることであり、今後ますますアジアを中心として、農作物や水産物などの海外輸出の拡大が期待される九州には、非常に重要な要素と言えます。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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