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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 九州のアジア度②(留学生の活躍の場) (国際経営、国際物流/星野裕志)

九州のアジア度②(留学生の活躍の場)

星野裕志 国際経営、国際物流

15/03/04

昨日は、九州にとって世界の中でアジアの存在がどの程度大きいかという九州のアジア度について、九州経済産業局の「九州アジア国際化データ」に基いてご紹介しました。日本全国のアジア度が高まる一方で、九州のアジア主要都市との近接性が、それほど九州の特色にはならなくなってきているのは、とても残念です。

そのような中で、このレポートでは、九州がアジアをビジネスと関連付ける上で、大きな可能性を示唆していると思います。それは、外国人入国者数や国際航空路線、留学生数の多さなどです。2013年の九州の外国人入国者数は121万人で、その内の95.1パーセントがアジアからでした。やはり日韓フェリーや高速船、クルーズ船の影響も大きいでしょうし、九州とアジアの都市をダイレクトに繋ぐ29の国際航空路線の存在は大きいと思います。

もうひとつが、九州で学ぶアジアからの留学生数です。日本の留学生の受入数で日本の上位10の大学には、九州から3校が入っています。太宰府、神戸、東京にキャンパスを持つ日本経済大学は、早稲田大学に次いで日本で2番目に留学生の多い大学です。第4位の立命館アジア太平洋大学には2013年に2,420人、第6位の九州大学には1,969人の留学生が在籍していました。九州全体の大学の留学生の約18,000人の内、94.7パーセントはアジアからです。

せっかく九州の大学に留学し、地元での就職を希望しても、就職先がない、受け入れてもらえないという話をよく聞きます。確かに留学生数から見れば、2013年の九州の企業に就職した留学生数の567人は、非常に少ないと思います。留学生の受入において、全国13.1パーセントの九州が、就職ではわずか4.9パーセントです。

留学生の九州での就職の促進に向けて、グローバル人材の活用を目的とする九州グローバル産業人材協議会が産学官の連携で設立され、また留学生就職フェアなども定期的に開催されていますが、まだ効果には現れていないようです。

2011年の九州経済産業局のグローバル人材に関する調査では、とても興味深いアンケート結果が出されています。留学生の採用実績のない企業が懸念することとして、留学生の「日本のビジネスへの適応性、協調性、ビジネスマナー」、「自社の海外高度人材雇用・管理体制が未整備」、「専門知識と採用後の業務の不一致」、「 採用時点での日本語能力不足」がそれぞれ7割前後を占めていて、採用に躊躇しているようです。

一方で、留学生の採用実績のある企業は、これらの4項目について問題視している企業は、2割前後であり、最大の課題となっている留学生の日本語不足についても、4分の1の企業が問題視している程度です。そのように考えると、実際にはそれほど問題視するほどの課題ではないのに、留学生を採用することへの懸念が大きく、なかなか踏み切れていないという実態が明らかになっています。

QBSで私の担当する国際経営の講義では、毎年2-3社の企業のトップの方においで頂いて、事業のグローバル展開についてお話をいただいています。留学生の採用と活用で大変興味深かったのは、うきは市に本社を置く農業用・土木建設機械を生産する筑水キャニコムと、嘉穂市に本社を置く世界で「オンリーワン」の産業用ポンプを生産する本多機工です。

筑水キャニコムは、「草刈機まさお」や「ブッシュカッタージョージ」など耕うん機などのユニークなネーミングなどでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。この会社では、留学生を採用して、海外の展示会での説明、現地語でのホームページの開設、現地での商談などの売り込みの尖兵として、アジア・アフリカなどの出身の外国人が活躍しています。同社の100カ国を視野にいれた世界戦略の推進の重要な役割を担っています。

本多機工もさきほどオンリーワン戦略とお話しましたが、世界でここでしか作れない産業用ポンプの開発に、九州の大学で博士号を取得した外国人のエンジニアなどが携わっています。さらに、外国人社員が出身国でのポンプの販売を希望すれば、暖簾分けではないですが、帰国して代理店になることが可能です。そうなれば、製品をよく知る人が、本多機工のポンプの海外での販売拡張にもつながります。

この2社に共通するのは、優秀な留学生を採用して活躍の場を提供していることと、経営者の強い思いとリーダーシップです。とてもユニークで優れた企業だと思います。

今日のまとめになりますが、海外から多くの外国人が九州に来られることで、外国人の求めるものを見つけやすいこと、九州に留学した外国人の活躍による海外との輸出入や海外展開など、九州の企業の海外ビジネスの拡大に、さまざまな可能性があります。単なる理念や掛け声だけではなく、九州のアジア度をもっと活用する必要性を感じます。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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