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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 九州のアジア度① (国際経営、国際物流/星野裕志)

九州のアジア度①

星野裕志 国際経営、国際物流

15/03/03

皆さんは九州はアジアだなと感じられることはありますか。福岡は韓国の釜山から高速船でわずか3時間弱で来られますし、LCCやクルーズ船などで中国や韓国からの旅行者を天神や博多シティに見かけることも多くなりました。福岡の屋台がアジア的であるとか、福岡空港に降り立つと匂いがアジアという話も聞いたことがあります。アジア度は高いということでしょうか。

九州経済産業局が、2001年からとても興味深いレポートを毎年出されています。
「九州アジア国際化データ」という名称で、2014年版が先月出されたので、今日はそのことを中心に紹介させていただきます。このレポートは、九州とアジアの関係について、ビジネスを中心に定点観測しているもので、毎年の発行を楽しみにしています。現在は印刷物としてのレポートの発行はなくなって、九州経済産業局のホームページから、ダウンロードできますので、関心のある方はぜひ覗いてみてください。

まず、九州にとってどの程度アジアの存在が大きいかという九州のアジア度について見てみましょう。アジア度は、6つの指標で世界全体に占めるアジアの割合を全国平均と比較をしています。企業の海外進出件数、輸出額、輸入額、外国人入国者数、国際線の航空路線、姉妹提携の自治体数です。例えば九州から海外への企業の進出件数に占めるアジアの比率や、九州と世界全体の輸出入の中で、特にアジアの比率は高いかどうかということを全国と比較しています。

まず結論から申し上げると、2014年の結果を見ると、6つの内5つの指標で上回っているものの、輸入額の比率は全国平均を下回っていますし、輸出額もほぼ全国並みです。全国平均よりも、大きく上回っているのは、海外と姉妹都市関係にある自治体数と国際航空路線になります。
次に、この調査が始まった14年前の調査対象の2000年と比較をしてみると、実は九州のアジア度は薄まってきているようです。例えば九州の海外からの入国者に占めるアジア人の割合は、95.1パーセントととても高いのですが、日本全体を見ても、2000年の61.1パーセントから78.9パーセントとかなり増加しています。

特に国際航空路線の変化は顕著ですが、2000年は全国でアジア路線の割合は、全体の半分の51.2パーセントでした。半分が欧米・大洋州ということです。その当時九州のアジア路線は、全体の91.3パーセントということで、突出していたのですが、今は九州の90.6パーセントに対して、全国平均も66.2パーセントまで上昇してきています。

ここから読み取れるのは、九州だけがもはやアジアへのゲートウェイではないということになります。日本政府がアジアを重視していることから、日本全国のアジア度が高まる一方で、九州のアジア主要都市の近接性が、それほど九州の特色として優位性を持たなくなってきているとも言えます。

アジアから見るともっとわかりやすいと思いますが、以前は日本の中でも九州の存在感が強かったものの、最近では北海道への観光客とか、地方都市へのアジアからの航空路線のアクセスの拡大で、九州も選択肢のひとつということではないでしょうか。

九州にとっては、少し寂しい話ですが、それでも九州はアジアとの関係を更に深めて、文化交流やビジネスの展開を考えていくべきなのは、もちろんです。例えば日本全体の輸出の最大の相手国は今でもアメリカですが、九州は中国です。九州からのアジアへの企業進出も、アジアから九州への留学生の数も、全国を上回っています。そう考えると、アジアを対象とするビジネス・チャンスを考えていくことも、古くて新しい課題なのではないでしょうか。

今日のまとめですが、九州経済産業局が毎年編集する「九州アジア国際化データ」に基いて、九州にとって世界の中でアジアの存在がどの程度大きいかという九州のアジア度について、6つの指標からご紹介いたしました。 結論は、九州のアジア度は薄まってきているようですが、まだまだアジアの成長を取り込む努力が必要という古くて新しい課題を提起しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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