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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「大企業病」社員の5つの特性 (戦略思考/荒木博行)

「大企業病」社員の5つの特性

荒木博行 戦略思考

15/03/05


今日は、「大企業病」というテーマについて話します。

大企業病とは、保守的で新しいことが前に進まない状態や、自分の縄張り意識が過度に強いがために客のことを考える前に社内抗争に明け暮れている状態、意思決定に非常に時間がかかる状態など、一般的に大企業で見られがちな傾向を総称したものです。しかしながら、大企業病というのは単なる名称で、その症状は大企業に限らず、中小企業であってもベンチャー企業にあっても見られる、ひとつの企業体質です。

私自身、いろいろな企業において社員研修を行うことがあり、企業ごとに様々な特性があることを常々感じておりました。そのような最中、先日、スコラ・コンサルタントの柴田氏と神戸大学の金井教授が執筆した『どうやって社員が会社を変えたのか』(日本経済新聞出版社、2013年)を拝読したところ、非常に当てはまることが書かれていたので、多少アレンジを加えながら、ここで紹介したいと思います。

大企業病の一つ目の特徴が、「視野が狭い」ということ。これは、自分の今の仕事にしか関心がないと言い換えてもよいでしょう。
二つ目が、「試行錯誤をしない」。要するに、いつも落としどころを見出すための検討ばかりをしていて、トライをしない状態です。
三つ目が、「足りないものばかりが視野に入る」。何か新しいことをする時に足りない事柄があることは当然ですが、その新しいことによって得られるものや、その先の未来像が目に入っていないのです。
四つ目が、「飛躍した非連続的思考についていこうとしない」。事を起こす際には、7割程度を視野に入れている一方で、残りの3割部分を「えいや!」とジャンプする必要があります。しかし、その3割部分の粗を探して現状維持のための否定を繰り返すばかりで、結局飛び越えることをしません。
そして最後の五つ目が、「現地現物を実行せず、ただ正論を唱え、檄を飛ばす」。そのために、具体的な解決策を出すことができません。

特に、一つ目の「視野が狭い」は、強調したいポイントです。視野の狭さは、裏を返せば、自分以外の他人や会社、業界の将来に関心が向いていないということです。たとえば業界がこの三年のうちにどのようになるのかといった点に、興味を持っていません。日常的に自分の仕事にプレッシャーをかけられていると、自分の目先の三か月の目標達成に汲々としてしまうことも仕方ないかもしれません。しかし、将来的なもの、あるいは自分以外のことに考えを巡らせることは、非常に大事です。
ここでは、「好奇心」という言葉がキーワードとなります。好奇心を持てなくなっている、すなわち、世の中に出回っている情報に興味関心を寄せることができなくなっている、というのは一つの大企業病発症のサインかもしれません。
ではどうすれば好奇心を持ち続けられるのか。そのためには、自分のスケジュールを意図的にコントローするところから始めるほかないでしょう。意図を持ってスケジュールに違うことを考える時間を入れないと、あっという間に身の回りに飛んできたボールを打ち返す時間に占拠されてしまいます。自分の24時間のスケジュールのうち、具体的にアクションを起こす時間を定めないことには、視野の狭さを補うことは難しいでしょう。

今日の話をまとめます。
今日は、大企業病の五つの特性について話しました。「視野が狭い」、「試行錯誤をしない」、「足りないものばかりが視野に入る」、「飛躍した非連続的思考についていこうとしない」、「現地現物を実行せず、ただ正論を唱え、檄を飛ばす」という5つを紹介しました。そして、特に「視野が狭い」ということについては、スケジューリングという観点からも是非考えていただければと思います。

分野: グロービス経営大学院 リーダーシップ |スピーカー: 荒木博行

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