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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 原油とルーブル安 (企業財務 M&A/村藤功)

原油とルーブル安

村藤功 企業財務 M&A

15/02/09


今回は、原油安とルーブル安について話します。なおルーブルは、ロシアの通貨です。

最近になって、原油が下がっているのはなぜでしょうか。原油には、いろいろな指標価格があります。アメリカではWTI(West Texas intermediate)で話されますが、これは一バレルあたり何ドルというかたちをとります。原油高だった2008年あたりには、バレル150ドルでした。去年の6月には、それが100ドルにまで下がりました。さらに年末から今年の1月にかけて、50ドルを切ってきています。わずか半年で、半分の価格になってしまったのです。

そもそもものの値段は、経済学では需要と供給によって決まるとされています。アメリカではこれまで掘られていなかったシェール層より、シェールガスやシェール原油が供給されるようになりました。これまでアメリカは原油輸入国で、6割近くを輸入に頼っていましたが、シェール原油の供給量が増えてきた結果、輸入比率が3割を切ってきています。一方で、これまですごい勢いで成長してきた中国をはじめとする新興国が、安定的でゆっくりとした成長に切り替わってきました。これによって、原油需要の伸びが落ち着いてきたのです。また、アメリカが金融緩和に際してドルをばらまいたために、原油の先物市場にどんどんお金が入っていきました。そのために皆が、原油を先物でどんどん買っていました。しかし、これからアメリカはドルを回収していく予定であるため、お金が逃げて先物が下がりはじめたのです。このように、需要と供給、お金という三つの理由によって、原油価格が下がってきています。

ここにきて、オイルショックの際には世界の石油の値段をコントロールしていると言われたOPECは何を考えているのでしょうか。シェール企業をつぶすために、50ドルに下がった原油の値段に我慢することにしたのです。減産して供給を減らすという手をもありましたが、減産した分シェールガスが出回ることになると困るためにこの手をとりませんでした。シェールガスだけではなく、イギリスやノルウェー、西アフリカやナイジェリアで掘られている原油をも、価格競争によって倒そうとしています。シェール会社の方は、原油がバレル50ドルまで下がったからといって、必ずしも倒産するわけではありません。それで倒れる企業もあれば、バレル40ドルでも大丈夫な企業もあります。サウジアラビアは、バレル50ドルに下がると国の財政は赤字となりますが、バレル100ドル時代に山のように溜め込んだお金があるために、しばらくは持つものと見られます。最近になってサウジ国王が亡くなり、代替わりが起きましたが、シェールを潰すという方針に変更はありません。

それに伴って、日本ではガソリンが130円にまで落ちてきました。実は1リットルあたり56円が、ガソリン税や石油石炭税にあてられます。したがって原油安が進んだとしても、全体の4割程度の部分が変わるだけです。原油価格が半分になっても、ガソリン価格が半分になることはありません。しかしそれでも、個人的には、あるいは国民的には、どこまで下がるか楽しみです。

こうした状況下にあって、ロシアのルーブルがすごい勢いで下がっています。ロシア経済は原油やLNGといったエネルギーの売上によっているため、原油価格が下がると経済成長がストップすることになるのです。現状、既にルーブルの価値は4割ほど下がった計算となります。

今日の話をまとめます。
アメリカにおけるシェール開発が進むに連れて、原油価格が下がってきています。OPECが低価格戦略に打って出ており、生産コストが高いシェール企業を潰そうとしているのです。同様に生産コストが高い北海ブレントや西アフリカの原油をも、その射程に入っているようです。その影響は、原油やLNGに頼っているロシア経済にまで及び、ルーブルが売られ続けています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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