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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 『製品タグライン』に表れる技術特性と顧客価値(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

『製品タグライン』に表れる技術特性と顧客価値(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

15/02/10

・私達は、"鳴り物入り"で発売が開始されるハイテク製品をときどき目にする。このとき、メーカー側から発信される製品の"価値"にかんするメッセージは、ユーザーにどのように受け止められるのだろうか?メーカーは、ちゃんと狙った通りの製品の"価値"をユーザーに届けることができているのだろうか?
・こんなときに注目してみると良いのが、製品の「タグライン」だ。パンフレットや店頭のポップの製品名の横にキャッチフレーズのようなものが付いているのに気づく人もいるだろう。これが「タグライン」だ。

・例えば、最近ヒットしている「レイコップ」というハンディ布団クリーナーがある。この商品のタグラインは「干すより、キレイ。」だ。一般的な日本人の価値観だと、天気の良い日に布団を外に干して紫外線に当てることで、湿気を取り、ダニやカビ、その他のホコリを落として室内に取り込むという生活習慣を持つ。ただ、最近ではPM2.5など大気汚染の問題であったり、共働きなどの理由で、外に布団を干す機会が少なくなった家庭も多いことだろう。
・そんななか、レイコップは、「UV・たたき・吸引・クリーン排気」という技術を強みとしている。ただし、その技術的な優位性をそのまま消費者に伝えるだけでは、消費者は製品が持つ価値を理解できない。そこで、「干すより、キレイ。」という、顧客が恩恵を感じる言葉に転換して、価値を伝えているのだ。この事例は、とても判り易い成功例だと言える。

・別な事例として、吸引力が落ちない掃除機で有名なダイソンの加湿器を見てみよう。この製品のHPを見ると、「Dyson Hygienic Mist」という製品名の下に「部屋を均一に潤す、最も衛生的な加湿器」というタグラインがある。
・この加湿器は、バクテリアの温床となるスポンジやフィルターをなくして、水を1滴のこらず紫外線ランプに当てることで、99.9%の除菌を実現している。また、ダイソンが得意な流体力学にもとづく"エア・マルチプライヤー"技術を応用して、部屋全体に均一に加湿された空気を送り込むことができる。
・これら技術的な特性を、「部屋を均一に潤す、最も衛生的な加湿器」という消費者が恩恵を感じる言葉に転換してメッセージとして伝えている。これも、とても判り易い。

・では、家電メーカーが最近相次いで発売し始めた新しい高精細テレビ規格の"4K"はどうだろうか。例えば、ソニーの製品パンフレットの表紙には、「テレビは大画面4K時代へ、ソニーはプレミアム4K」という製品タグラインが目立つように書かれている。しかしながら、このタグラインからは、残念ながらユーザーがどんな恩恵を受けられるのかが伝わってこない。また、同様の製品について、パナソニックのパンフレットの表紙を見てみると、「4Kで、この国の全てを美しく」というタグラインがある。唯一"美しく"という言葉があるものの、それが顧客にどんな恩恵をもたらすのか、それ以上の価値を伝える言葉が見あたらない。
・そもそも4Kとは、通常のフルハイビジョン規格の4倍の高精細で表現できる技術標準の規格だが、その"4K"という技術特性(スペック)を表す言葉だけでは、一般消費者は価値を感じ取ることはできないだろう。

・実は、ハイテク製品を売り出す際、技術特性(スペック)を打ち出してしまっていることによって、消費者が価値を理解しきれない、という事態に陥っている例は少なくない。次回は、この点についてもう少し深堀りして考えてみたい。

【今回のまとめ】
・ハイテク製品の場合は、市場投入の際に、往々にして"技術特性(スペック)"をタグラインとして打ち出すことが少なくない。しかしながら、ユーザーがその価値を知覚できなければ、メッセージが"空振り"に終わってしまう可能性がある。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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