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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 沖縄国際物流ハブ② (国際経営、国際物流/星野裕志)

沖縄国際物流ハブ②

星野裕志 国際経営、国際物流

15/01/02

ネットワークの中心である拠点=ハブを中心に、貨物や旅客を輸送する仕組みをハブ&スポーク・システムといいます。昨日は、良く知られた成田空港や関西空港、最近では羽田空港といった日本のハブ空港に加えて、もう一つの那覇空港の沖縄国際物流ハブをご紹介しました。ここは、沖縄県と全日空が開発し、ちょうど5年前からアジアの貨物が一旦那覇空港に集められて、積み替えられて、再びそれぞれの目的地に輸送されていきます。ハブ&スポーク・システムのお手本のような仕組みです。

那覇空港がハブだとすれば、スポークはそれぞれの空港からのフライトです。例えば、全日空の貨物専用機は、羽田、名古屋、関空などから、夜中の2時過ぎに那覇空港に到着します。同様に、台北、ソウルからは夜中の1時台に、香港、上海、バンコクなどからは、午前3時前後に続々と到着します。那覇空港には、国内の20の空港からの直行の旅客便もありますから、これらの空港から旅客便で日中に運ばれてきた貨物も、那覇空港に保管されています。搭載されてきた貨物は、航空機から取り降ろしされて、それぞれの目的別に仕分けがされます。それらの貨物が航空機に搭載されると、5時過ぎから那覇空港を離陸していきます。時差を考えると多くのアジアの都市に、6時〜7時台に貨物が到着することになります。そこで通関をしたとしても、午前中にはメーカーやスーパーやオフィスなどの企業のもとに届けられます。

なぜ那覇空港に目をつけて、ここに国際物流ハブを設置したのかという理由として、戦略的ロケーションと昨日お話ししました。日本という国全体を考えると、沖縄は西南の端に位置しますが、東アジアをターゲットとした貨物輸送と捉えると、最適な位置といえます。それは、人口20億人の巨大市場のほとんどが、那覇空港から2時間から4時間程度でカバーされることと24時間運用が可能な空港だからです。
これからこの那覇を中心に構築されたハブ&スポークが、さらに効果的に活用されることが期待できます。第一に、アジア各地からの貨物の積替え地点としての利用の増加が考えられます。例えば、福岡空港からはアジア各地に直行便がありますが、大分空港からの国際線はソウルだけです。全日空の大分空港発の18時30分の便に、大分県産の農作物、水産物や製品を載せると、那覇空港経由でアジアの各地に、翌朝には届くということになります。そうなると新鮮なものを新鮮なままで輸送するということで、地元の産品に輸出のチャンスが出てくる事になります。

第二に、沖縄にメーカーやe-コマースの企業が在庫を置く物流拠点としての利用が行われています。実際に東芝の子会社では、自動改札システムや高速道路の料金回収システムなどの機器のパーツセンターを那覇に置くことで、納入先からのパーツの緊急の依頼にも対応することができます。同様に通販の会社が、在庫のストック拠点を那覇に置けば、顧客からの注文に対して迅速に対応して、発送をすることが可能になります。

第三には、新しいサービスです。ヤマト運輸が世界で初めて国際クール宅急便を開始して、すでに農水産関連で約300品目の輸出をされているようです。この中には、宮崎の日向夏、鹿児島の安納芋や熊本の車海老も含まれています。他にも、ヤフー香港とのタイアップや香港のサークルKのお取り寄せのお取り寄せショッピングの配送など、迅速さがフルにいかされていると言えます。

現在沖縄の国際物流拠点は、5年目で第二段階に入ったようですが、今後の第三段階で、世界的なメーカーの物流拠点を誘致することも視野に入れているとのことです。現在は一本だけの那覇空港の滑走路も、第二滑走路の増設も決まったようでしし、これからは海運との組み合わせも計画されています。シー&エアの組み合わせによるサービスの多様化もあり得ると思います。利用が増えれば、さらにネットワークの拡充に繋がります。

那覇空港に置かれた沖縄国際物流ハブでは、全日空の貨物機が深夜に離発着することで、アジア各地の貨物が集積され、また目的地に向けた輸送が行われています。このシステムの活用で、様々な新しいサービスが生み出されています。これからの沖縄の産業振興に、大きく貢献することが期待されます。

分野: 国際ロジスティクス |スピーカー: 星野裕志

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