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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 非常識からビジネスを考える(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

非常識からビジネスを考える(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

15/01/21

【今回のまとめ】
・身の回りの製品やサービスを見渡すと、一見非常識に思えるものが成功していることに気づく。従来の「常識」に対して「非常識」な視点にヒントを得てビジネスのアイデアを考えてみると、独創的なイノベーションに結びつく。


・最近、様々な場面で、「おやっ?」と思わせるユニークなものに気づくことが多い。簡単に言うと、一見非常識なやり方でビジネス上のブレークスルー、イノベーションを実現しているのだ。
・例えば、千葉県船橋市が、『ふるさと納税』の寄附者に対して、船橋市の非公認ゆるキャラ『ふなっしー』のグッズを進呈する旨を発表したところ、僅か1ヶ月間で前年度1年分(!)を越える納税額に達したというニュースがあった。
・千葉県船橋市には、公認ゆるキャラの『船えもん』がいる。普通の行政担当者であれば、公認ゆるキャラを差し置いて、いくら人気があるとはいえ、非公認ゆるキャラのグッズを公的サービスの一環で用いる、というのはかなり非常識だと考えるのが普通だろう。市役所内部でも随分反対があったであろうことは容易に推察される。非常識が成功に結びついた例だと言える。

・また、人気の掃除機『ダイソン』もそうだ。ダイソンの掃除機はデザインがユニークなことで人気だが、特に、ゴミが溜まる部分が透明なことが特徴的だ。「集めたゴミは隠して見えないようにする」のが常識的な考えだが、ダイソンは大胆にもこれを透明にしてしまった。
・しかし、これによって、(1)ゴミがどのくらい溜まったかが一目でわかる、(2)ダイソンの掃除機が高性能であることが一目でわかる、(3)家の中には思った以上にゴミが溜まっているので、細かく掃除しようとするモチベーションが上がる、というメリットがある。これも、非常識とも思える発想がビジネスの成功に結びついた例だと言える。

・そもそも、常識とは何だろうか?常識とは、「人々が共有する本能的で(健全な)判断能力」のことを指し、「特定の社会の成員が共有し、前提として疑わない認識」だと定義される。
・常識が形成される理由としては、「身の回りの社会に調和をもたらす」からだ。多様な人々から構成されるこの世の中で、一定の共通の価値観が形成されていないとすると、それは混乱を極めた社会になることだろう。長い年月をかけて、人々は相互に共有できる「常識」を形成することで、秩序ある社会を実現してきたのだ。そして、「秩序」や「調和」は楽(らく)で心地よいので、往々にして「常識」には間違いがない(と信じ込んでしまう)。
・では、常識は正しいのか?実は、単に構成員が前提として疑わない認識に過ぎないので、常識が真理(正しい)とは言えない。哲学者の三木清は、「常識に疑問を持てるのが『良識』である」と述べている。また、アインシュタインは、「常識とは、18歳までにあなたの精神の底に沈殿した偏見の堆積にすぎない」と述べており、常識が孕む問題点を看破している。
・常識の形成までには時間がかかるが、一旦常識が形成されると、それを変えるのはとても苦労するし、人々は往々にして常識を捨てたがらない。常識を変えようとすると、摩擦や軋轢が発生し、膨大なエネルギーが必要になるからだ。
・この点で、アップルの創業者スティーブ・ジョブズは特異だったようだ。ジョブズは少年の頃、近所に住む老人に、拾った石ころを一晩ミキサーのような機械に放り込んでおくと、翌朝には綺麗にカドが取れて美しい丸い玉に変化することを教わり、それが後の自分の創造的な活動に大きな影響を与えた(摩擦を恐れずエネルギーがぶつかり合うことで、美しいデザインや使い勝手の良い製品が得られる)と言っている。

・イノベーションを実現するときに、常識の枠を越えた独創的な発想は欠かせない。英語では「Out of the Box」と言われる。要するに、「枠を越えて考えろ!」ということだ。ただ近年は、「Inside the Box」というビジネス手法が注目されている。次回は、この手法について紹介したい。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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