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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 遺言と相続 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

遺言と相続

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

15/01/07

相続とか遺産とかは、資産家の問題で、自分とは関係ない、と思っている人も多いと思います。しかし、実は大金持ちよりも庶民の方が相続争いが激しいとも言われています。
たとえば、夫が亡くなり、妻が長男夫婦と同居しているとします。次男夫婦は住宅ローンを借りて家を買いました。妻には自宅以外の財産がありません。そうしたケースで妻が亡くなった時には、長男夫婦は当然にその家に残ろうとします。そうなると、次男は遺産がゼロという事になりかねません。それでは次男が納得する筈はなく、相続争いは必至です。そこで、自分の死後に子供たちが争わないように、遺言をしておく必要があるのです。
同居している長男夫婦には、老後の生活の手助けなどをしてもらったかもしれません。その分だけ長男には次男より多く相続させたいと考えるかもしれません。反対に、長男夫婦が子供の学費を親に出してもらったかもしれません。それに対して次男が遺産を多めに相続したいと主張するかもしれません。そうした事が遺産分割の際の争いの種にならないようにするためにも、遺言は必要です。
遺言というと、難しく聞こえるかも知れませんが、とても簡単です。全部自筆で書くこと、日付と名前を書いて印を押す事、それだけです。たとえば専業主婦と子供がいる場合には、家は専業主婦に、それ以外は子供に相続させる、という場合も多いでしょう。それならばその通り書けば良いのです。実際には、少し恰好をつけて書く場合が多いですが、書き方はインターネットなどでも簡単に実例が手に入りますから、真似をして書いてみましょう。
遺言は、日付が新しい方が有効です。ということは、何時でも書き直す事が簡単に出来るのです。したがって、あまり深く考えずに、とりあえず一度書いてみましょう。気が変わったら、書き直せば良いのですから。
もう少し正式な遺言を書きたければ、公証人役場に行って公正証書遺言というものをつってもらいましょう。多少の手数料はかかりますが、原本を公証人役場が保管してくれるなど、メリットも少なくありません。
遺言は、相続の割合を決めるものですが、では遺言が無かったら、遺産はどのように配分されるのでしょうか。それを決めているのが民法です。
配偶者と子供2人の場合、配偶者が半分で、子供は残りの半分を折半します。子供がいない場合、配偶者が3分の2で、親が残りを相続します。子供も親もいなければ、配偶者が4分の3で、兄弟姉妹が残りを分け合います。この割合を法定相続分と呼びます。
配偶者がいなければ子供が、配偶者も子供もいない場合は親が、遺産を相続します。
ここで気を付けなければいけないのは、配偶者は法律上の配偶者ですから、事実上の配偶者、いわゆる内縁の妻には遺産は全く行かない、という事です。法律上の妻とは事実上の離婚状態であっても、遺言がなければ先ほどの法定相続分だけ妻が受け取ってしまうのです。こうした事態を避けるためには、是非とも遺言を書きましょう。
「内縁の妻に財産の半分を遺贈する。残りの半分は法定相続分通りに相続させる」と書くのが普通です。遺贈というのは、相続人でない人に相続財産を受け取ってもらうという事です。なお、内縁の妻に遺贈するのは財産の半分までにしましょう。というのは、妻や子には遺留分という権利があり、いくら遺言があっても法定相続分の半分までは受け取れる権利があるからです。
遺言を書く際には、財産目録も作っておきましょう。ヘソクリのことも、財産目録に書いておかないと、だれも見つけてくれなかったら勿体ないです。もっともその場合は、厳重に封をしておく必要がありますが。
それから、借金の事も書いておきましょう。他人の借金の保証人になっている場合についても、書いておきましょう。相続人は、相続開始から3か月間は、相続の放棄が出来ます。つまり、借金の方が多い場合には、相続しない、と宣言すると、借金を引き継がなくて良いのです。借金がある事を知らずに3か月経過してしまう事がないようにしておきましょう。
相続税についても、4800万円以上の遺産が残りそうな人は、対策を考えましょう。何億円もある人は真剣に考える必要がありますが、普通のお金持ちは、それほど頑張る必要はありません。まず、子供たちの生活費は親が出してやりましょう。孫の学費なども出してやりましょう。それから、毎年110万円ずつ配偶者や子供に贈与しましょう。年間110万円までの贈与は課税されないからです。配偶者と子供二人だとして、10年間に3300万円の贈与ができます。これで相続税はだいぶ減るはずです。もっとも、後から税務署と揉めないようにする目的で、毎年111万円贈与して、1000円の贈与税を毎年支払っておくという手もあります。そうすれば、その分は贈与されたので相続税の計算に入らない、という事が明確になるからです。

まとめ:遺言はお金持ちだけのものではありません。自分の死後に子供たちが争うことがないように、必ず書きましょう。いつでも書き直せますから、とにかく一度書いてみましょう。相続税も、ある程度財産のある人は対策しておきましょう。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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