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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか⑩ (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか⑩

田久保 善彦 リーダーシップ領域

15/01/26


300年企業では、およそ10代から12、13代の社長が創立以来経営を引き継いできています。これまでいろいろなことがあったと思いますが、ぶれずに経営を続けることができたのはなぜでしょうか。その理由のひとつは、大事にしてきた価値観にあります。

300年×50億円企業の価値観の特徴について考察するために、まず、長い歴史こそないものの、世界的に尊敬を集めている企業のビジョンや理念を調べてみました。すると、両者が意外と似通っていることに気づきました。たとえば顧客第一主義や人を大切にすること、地域を大事にすること、法令を遵守することなどが、これらの企業の理念のうちに共通して挙げられているのです。したがって、日本型のサスティナブル企業との違いはそんなに大きくないのではないかと、当初は考えました。しかし実は300年×50億円企業は、他企業と同様の理念を掲げる一方で、深みや広さの点において大きな特徴を有しているのです。

たとえば、多くの企業が従業員を大切にする旨を唱えています。一方でたとえば月桂冠は、前回に述べましたように、OBの法要を50回忌まで行います。そこでは、従業員だけではなく、その一生までも大切に扱う姿勢が表れています。月桂冠では、単に「従業員を大事にします」と唱えるばかりではなく、「従業員の一生を大事にします」という、似て非なるコンセプトが見られるのです。

また、多くの企業が、地域貢献を重視する旨を唱えています。しかし、行政の人に言わせれば、多くの企業は利益が出た時には様々な寄付をしてくれるけれども、業績が悪くなるとそれらを引っ込めてしまうそうです。その点、300年×50億円企業は、業績が良かろうが悪かろうが、継続的に一定の寄付なり地域貢献活動なりを続けてきています。地域からしてみれば、300年×50億円企業とは、きわめて安定的に相互依存できる関係性を築くことあできていることとなります。

他、取引先との共存共栄も、多くの企業が唱えているところです。300年×50億円企業は、短期的には損害を被ったとしても取引を続けて、長期的な共存共栄を図る傾向にあります。それが良いことかどうかという点については、経営者の価値観によるものですので何ともいえません。しかし、「今年は損をしても、これまで世話になってきているし、これからも一緒にやっていきたい」という思いで、損して得取れというわけではないでしょうが、経営を続けてきているのです。

このように、日本型サスティナブル企業は、その理念の深さや広さ、あるいは、それらに基づいた行動なり意思決定に、大きな特徴を有します。こうした価値観に基づいて経営者が現実的な行動をとっていれば、同じような価値観が従業員のうちにだんだんと浸透していくのです。

今日の話をまとめます。
日本型サスティナブル企業と歴史が浅い企業の価値観を比較した場合、表面的には両者は似通っています。しかし、その深みや幅、継続性、実行度合いという点において、前者が著しく優れていることが、今回の調査によって明らかになりました。

分野: グロービス経営大学院 リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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