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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか⑨ (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか⑨

田久保 善彦 リーダーシップ領域

15/01/16


前回は、長寿企業がどのようにガバナンスを効かせているかという点について話しました。また関連して、これらの企業が神事や祭事、仏事を大切にしていることについても触れました。今回は、その続きを話します。

企業で働いている方々は、60歳から65歳になると引退します。そこからさらに何十年か経つと、このOBやOGも亡くなっていきます。その後に残された遺族の方々は、およそ十三回忌くらいまでは法要をされるものと思います。ところが、月桂冠や岡谷鋼機といった長寿企業は、OBやOGの法要を会社として五十回忌まで行っています。そこでは従業員を大切にし、その人生や亡くなった後にまで責任を持つとする価値観が現れています。通常の企業では、こうした価値観はなかなか見られません。この点、これらの長寿企業の大きな特徴のひとつと言えるでしょう。

そのほか、たとえば日本最古の企業である金剛組は、西暦500年代、大化の改新以前に作られた企業です。ここでは、いまだに月二回、マネジメント層が聖徳太子をお参りしています。この点を鑑みれば、悪いことを絶対にできない企業のように私たちには感じられるでしょう。ちなみに金剛組は、お寺や神社を建設することを生業にしています。

このように、抗えないもの、逆らってはいけないものを頭の上にきちんと設定することで、それらに対して謙虚な姿勢を保つようになります。たとえばファミリービジネスにおいてすべての株を持っているオーナー企業は、ある意味、何でもやってしまうことができます。しかし、自分には抗うことができない絶対的な存在を常に意識することで、目茶目茶で好き勝手な経営を避けることができるのです。これらは、トップの発言や行動のうちにも、垣間見ることができます。そして、そうしたトップの姿勢を従業員が見続けることで、従業員も抗えないものに対する謙虚な姿勢や感謝の念を獲得するに至るのです。このようなグッドサイクルが会社の中に埋め込まれていれば、ルールでがんじがらめになっているような社風とは異なり、人間の倫理観を大切にした経営を行うことが可能なのです。

どこの長寿企業においても、神棚が設置されていることは当たり前です。トップが先頭にたって、神棚に向かって二礼二拍を習慣的にやっているところも見受けられます。そうした価値観の中で、長寿企業は生きてきているのです。

分野: グロービス経営大学院 リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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