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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国選挙とオバマ (企業財務 M&A/村藤功)

中国選挙とオバマ

村藤功 企業財務 M&A

14/12/30


今回は、アメリカの中間選挙について話します。

この前の11月に、アメリカで中間選挙が行われました。アメリカの大統領の任期は1期4年ですが、半期である2年が経過した時点で、上院議員100人のうち1/3と下院議員の全員が、中間選挙によって入れ替えられます。もともと上院議員の任期は最大で6年で、2年ごとに1/3ずつ入れ替わっていきます。これまで共和党が下院のマジョリティーを占めていましたが、今回の中間選挙では、上院の過半数をも得るにいたりました。これによって、オバマ大統領の任期はあと2年残っているにも関わらず、上院下院ともに共和党が優勢であるため、民主党のオバマ大統領は共和党が反対すれば法案を何一つ通せないことになりました。

オバマ大統領は、いくつかの点で共和党と協力したい旨を話していますが、譲れない一線も見られます。共和党が廃止を強く求めている、貧しい人びとに医療保障を提供するという「オバマケア」がそのひとつです。また、オバマ大統領は、中間選挙の後に法案を上院と下院を通すことができなくなったため、大統領を用いて移民制度の改革を行いましたが、これに対して共和党は怒り、両者の間で戦いが生じています。これはそもそも、以下のような背景をもったものです。アメリカは、中米から不法に入国する人びとを毎年44万人ほど強制送還しています。しかし彼らがアメリカで子を産めば、その子はアメリカの市民権を獲得します。その結果、不法入国者である親が強制送還される一方で、子供はアメリカに残ることができるため、親子が引き離される状況となるのです。これに対してオバマ大統領は、5年以上不法滞在した人であってもアメリカの市民権を持つ子供がいる場合には、一定の情報を提供したり税金を払ったりすることを条件に、3年間は強制送還されないようにしたのです。

このような状況の最中、アメリカ政府の暫定予算の期限が11月11日でした。以前には、政府予算がなくなったため、アメリカ政府が閉鎖に追い込まれたことがありました。今回は、政府が閉鎖されるとまずいために、政府予算については共和党も民主党におよそ合意し、来年9月までの予算案が上院で可決されました。ところが、先の移民制度の改革を行っている国土安全保障省に対しては、来年の2月までしか予算を認めないこととなったのです。ここで共和党は、オバマ大統領が大統領令を用いて行った移民政策に対して報復しているわけです。共和党と協調する必要があるオバマ大統領は、オバマケアと移民政策については共和党と意見の一致を見ないために、今後どのようになっていくか注視したいところです。

一方で、たとえばTPPについては、共和党はもともと自由貿易主義ですので、かえって進展するのではないかと言われています。また、外交について言えば、共和党はもともと強硬派ですので、変化が生じるものと見られます。ブッシュ大統領の時代にはアメリカはよく戦いを起こしていましたが、オバマ大統領はアフガニスタンやイラクからの撤退を行ってきました。イスラム国をめぐる問題においては、空爆だけでよいと考えるオバマ大統領に対して、共和党やヘーゲル前国防長官は地上軍の投入に対して積極的でした。今後、いろいろと、共和党の言うようにことを進める状況が出てくるものと考えられます。

今回の話をまとめます。
アメリカの中間選挙の結果、上院の過半数の議席を共和党が獲得しました。この結果TPPや外交においては、オバマ大統領は譲歩することになりそうです。一方で、オバマ大統領は、オバマケアや移民政策については、自説を変えるつもりはありません。先日オバマ大統領は、中国の習近平国家主席との間で温暖化ガス削減について合意に至ったばかりですが、それに共和党が反対している以上、中国との約束を守れない可能性が出てきています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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