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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国債の種類 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

国債の種類

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/12/18

個人投資家が国債に投資するという場合、すぐに思いつくのは、満期も金利もあらかじめ決まっている国債でしょう。固定金利物、と呼ばれるものです。個人向け国債の3年物、5年物、一般向け国債の2年物、5年物、10年物があります。個人向け国債と一般向け国債は、途中で換金する際の条件などが違いますが、満期まで持つ事を考えれば、それほど大きな差ではありません。
しかし、固定金利の国債は、現在のような超低金利の時にはお勧め出来ません。現在の非常に低い金利で資金を何年も固定してしまう事になるからです。特に、期間の長い固定金利の国債は避けるべきです。
個人が投資できる国債には、これ以外にも金利が変動するもの、償還額が変動するものがあります。これは、いずれもお勧めです。
金利が変動するのは、個人向け国債の10年物です。毎回の利払いが、その時々の長期金利の0.66倍なのです。これだけ聞くと、普通の長期国債の方が得なような気がしてしまいますね。たしかに、今後10年間の長期金利が一定であると考えれば、普通の長期国債の方が得だという事になります。しかし、今が超低金利時代であり、今後は金利が上がっていくと考えれば、変動金利にしておいた方が良い、というわけです。
金利が上がるまで、銀行預金や期間の短い国債を買って資金を寝かせておいて、金利が上がった時に固定金利の長期国債を買う、という戦略もありますが、金利が少しずつ上がっていく間は、低い金利で我慢していなければならないのです。
今の話は説明が必要ですね。長期金利は、今後10年間の短期金利の平均になることが基本です。今のような低金利の時は、将来の短期金利は今よりも相当高くなると人々は予想しますから、長期金利が短期金利より大幅に高くなるのです。今は、日銀が長期国債を大量に買っているため、長期金利が予想される短期金利の平均よりも低くなっていますが、それでも短期金利がほとんどゼロである事を考えれば、長期金利の方が遥かに高いと言えるでしょう。こうした状況では、長期金利の0.66倍がもらえる変動金利国債は、有難いものなのです。
 変動金利国債の良い所は、将来インフレになると金利が多くもらえるので、資産がインフレで目減りする事が防げるという事です。インフレになると、日銀は金融を引き締めます。そうなると長期金利も上昇しますから、長期金利の0.66倍という受取金利も上昇するのです。
つまり、変動金利国債を持っていると、インフレになれば金利が多くもらえて資産の目減りを防いでくれて、インフレにならなくてもある程度の金利はもらえる、という訳です。
変動金利国債よりも、更にインフレに強い国債もあります。名前からして物価連動国債という名前です。これは、金利はほとんど付きませんが、発行時から償還時までの間に消費者物価指数が上昇したら、その分だけ償還額が増える、というものです。これは、ある意味で完璧なインフレ対策と言えるものです。
しかし、世の中には旨い話は転がっていません。もしも今後10年間、消費者物価指数が全く上がらなかったら、この国債を持っている人は損をしてしまうのです。その理由は、この国債が人気があるため、額面すなわち償還額よりも高い値段で取引されているためです。その理由を説明しましょう。
人々が、今後10年間の消費者物価上昇率を1%と予想しているとします。100円で発行された物価連動国債は、10年後に110円で償還されるはずです。一方、固定金利の10年国債の利回りが0.5%だったとします。この時、固定金利の10年国債を100円で買った人は、10年後に105円が戻って来ることになります。それならば、物価連動国債を100円で買った方が絶対に得です。しかし、皆が同じ事を考えて物価連動国債を買うので、物価連動国債は値上がりしていき、105円になると止まります。
つまり、100円で固定金利の国債を買って105円に増えるのと、105円で物価連動国債を買って110円に増えるのと、5円儲かるという点では同じですね。どちらかが他方より儲かるという状況では、そちらに買い注文が殺到して値段が上がってしまうので、結局どちらを買っても同じだけ儲かる、という所に落ち着くのです。
人々が1%の物価上昇率を予想しているとして、予想が外れたらどうなるでしょうか。物価が毎年2%上がれば、105円が120円に増えますから、大儲けです。物価上昇で資産が目減りする分を、この儲けが補ってくれます。反対に、物価が上昇しなければ、105円が100円に減ってしまいます。しかし、物価が安定していて資産が目減りしなかったのですから、がっかりする必要はありません。
このように、変動金利国債と物価連動国債は、インフレに強い国債と言えます。細かい点は一長一短ありますが、どちらもお勧めです。リスク分散という考え方からすれば、両方とも半分ずつ買うのが良いと言えるでしょう。

まとめ:現在のような超低金利局面では、国債に投資するならば、金利が変動する個人向け国債10年物と、物価連動型国債がお勧めです。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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