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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イノベーション産業の集積メカニズム(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

イノベーション産業の集積メカニズム(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

14/11/10

・「我が地域から、もっとイノベーションが生まれてほしい!」「革新的な製品を生む企業に、我が地域に来てほしい!」という要望は、世界中の地域で叫ばれている
・理想的な地域としてよく登場するのは「シリコンバレー」だ。カリフォルニア州北部、サンフランシスコの郊外から内陸のサンノゼに至る帯状の地域を指し、アップル、インテル、グーグル、フェイスブックなど、世界的な企業が生まれ続けている。
・「シリコンバレー」と呼ばれ始めたのは60年代の半導体産業の集積が始まってからで、それ以前は、西部のノンビリした気候の良い土地くらいでしかなかった。今は世界の大学ランキングのトップに名を連ねる「スタンフォード大学」も、かつてはさしたる特徴もない田舎の私立大学に過ぎなかった。
・シリコンバレーは、60年代の半導体産業に始まり、70~80年代のパーソナル・コンピューターやバイオテクノロジー、90年代のインターネット、2000年代に入ってからのゲノム(遺伝子)創薬やモバイル・アプリなど、新しい産業を次々と生み出してきた。
・しばしば「シリコンバレーは特別だ」と言われるが、例えば米国ではボストンやサンディエゴ、テキサス州オースチン、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングルなど、自立的に発展するイノベーション産業が集積する地域は少なくない。
・これらの地域を見て、世界中が「我が地域にもイノベーション産業の集積を!」と、様々な挑戦を繰り返している。

・そもそも、高度かつ他では替えがきかないイノベーション産業の集積が好まれるのか?生産拠点ではダメなのか?かつては先進国でも、生産拠点の誘致に積極的な地域は多かった(今でも多い)。しかし、グローバル化が進み、先進国の生産拠点は中国をはじめとするアジア諸国や中南米など、コストが安く品質的にも問題ない国々へと移っている。
・このような産業構造の変化を受けて、より付加価値の高いイノベーション産業(研究開発や事業開発のヘッドクォーター機能を担う)の集積に関心が高まっている。
・モレッティというイタリア出身の研究者によると、ハイテク産業などイノベーション創出を担う雇用が1増えると、その地域のサービス関連産業で雇用が5生まれるという(医師や弁護士などの専門職が2、加えてウェイターなど非専門職が3)。一方、伝統的な製造業の場合は1.6の雇用しか生み出さない。そのため、世界中の様々な地域が躍起になってそのような産業集積に挑戦しているのだ。
・雇用の乗数効果が高い理由としては、まずイノベーション産業で雇用される人材は給与水準が高いこと(マイクロソフト従業員の平均年収は17万ドルだとか)。
・また、これらイノベーション産業は集積することでシナジー効果を得る傾向が強い(知識の移転などに都合が良いため)。更に、労働集約的な性格が強く、機械やコンピューターに簡単に置き換えることができない。その結果、所得水準が高い人材が特定の地域に集積する傾向が強まり、雇用の乗数効果が高まるのだ。

・次回は、このようなイノベーション産業の集積はどうすれば形成できるのか、そのヒントをモレッティの研究を引用しながらさらに深堀りする。

【今回のまとめ】
・イノベーションを生み出す産業は、特定の地域に集積する傾向がある。そして、そのような産業がもたらす雇用の乗数効果(波及して雇用を生み出す効果)は5倍にも達するので、世界中の多くの地域がイノベーション産業の誘致や創出に力を入れている。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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