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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 老後の必要資金 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

老後の必要資金

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/11/04

まとめ:老後の資金は1億円必要だと言われていますが、年金も退職金も親からの相続も加えての事ですから、安心して下さい。普通のサラリーマンは、退職金をもらう前に借金と金融資産が同じくらいであれば、老後は何とかなります。住宅ローンなどが多額に残っている人は、老後も働くなり倹約に努めるなり、頑張りましょう。

  老後の生活には1億円必要だ、という人もいるので、老後の生活を心配している方も多いでしょう。ただ、自営業などの方は、老後も仕事を続ける方も多いでしょうし、資産や収入の状況も人それぞれでしょうから、今日はサラリーマンについて御話しします。
家計調査という統計で見ると、高齢者の無職世帯の生活費は、月に26万円ほどです。普通のサラリーマンと専業主婦の家計は、月に23万円ほど年金が受け取れますから、月に3万円ほど不足する計算になります。65歳から70歳までは、今少し生活費がかかるようですが、それでも二人とも100歳まで生きるとしても、65歳時点で1500万円あれば足りる計算になります。葬儀費用くらいは遺産で残したいという事を考えても、1700万円あれば何とかなりそうです。
60歳で定年を迎え、退職金を受け取って借金を返し、1700万円残っていれば、そして定年後再雇用で65歳まで働けて生活費を賄えれば、何とかなるという計算です。
サラリーマンの退職金は、勤務先の企業規模などによっても個々人によっても様々ですが、1500万円から2000万円程度はもらえる場合が多いようなので、退職日前の段階で、金融資産が住宅ローンなどと大体釣り合っていれば、老後は何とかなりそうだ、と考えてよいでしょう。
  なお、借金はなるべく早く返しましょう。退職前の数年間は、老後に向けて懸命に貯金をする時期なのですが、この時期に銀行預金を積み上げるのは勿体ないことです。借金の金利は預金の金利より高いので、借金を返さずに預金のまま持っているというのは、金利の差だけ無駄をしている事になるのです。かといって、貯金を全部おろして借金の返済に充ててしまうと、急に資金が必要となった時に困りますから、数百万円を残して、それ以上預金がある場合には借金を返済することにしましょう。当然ですが、退職金を受け取ったら、借金は直ちにすべて返済しましょう。
  老後の生活を考える時に、お金の面でもっとも心配な事は、長生きをして、その間にインフレになって、蓄えが底を突いてしまうことでしょう。そうした心配に対して、最も心強いのが、実は公的年金なのです。年金は、死ぬまでもらえますから、どんなに長生きをしても安心です。また、インフレになると年金の支給額も増えますから、長生きしている間にインフレになっても安心です。もっとも、少子高齢化が進むと、年金財政が苦しくなるので、年金が少しずつ目減りして行くと思われます。物価が上がった分よりも年金の増加分が少し少ない、という年が続くだろう、というわけです。
  そうなると、月23万円の年金では、やや心もとないと言えるでしょう。そこで、本来ならば65歳から受け取れるはずの所、年金の受取開始を70歳まで待って、その代わりに毎月の年金受取額を42%増やしてもらう、という事を考えてみましょう。毎月33万円が死ぬまで受け取れるのであれば、(少子化によって目減りしていったとしても)かなり安心です。
  そのためには、65歳から70歳まで無収入で生活する必要があります。毎月の生活費を30万円とすると、1800万円必要です。加えて葬式代くらいは遺産を残すとすると、65歳時点で2000万円あれば良い、という計算になります。
50代、60代のサラリーマンの方、如何でしょうか。老後の資金は足りそうでしょうか。足りそうならば結構なのですが、足りなそうだと思った時に、決して無理な投資などしないで下さい。退職金で足りないなら投資で増やして不足分を埋めよう、などと考えないで下さい。投資にはリスクがありますから、大もうけを狙えば大損をする可能性があるのです。ただでさえ不足している老後の資金が投資の損で一層少なくなってしまったら、泣くに泣けないでしょう。
  足りなそうだったら、まず倹約をしましょう。出費を見直そう、といった本は沢山売っていますから、是非読んでみて下さい。それから、定年後も働きましょう。これまでは、長期不況の中で、労働力が余っていましたから、高齢者が仕事を見つけるのは大変でしたが、これからは労働力不足の時代ですから、探せば仕事は見つかるでしょう。
  その際に気をつけたいのは、現役時代とは立場が異なることをしっかり認識する事です。昔の部下に御使えする事になるかもしれません。あるいは現役時代より遥かに単純な作業を遥かに安い給料でやらされるかもしれません。それでも、働けて収入があるだけマシだと考えて下さい。自尊心が邪魔して「扱いにくい高齢者だ」と思われてしまっては、なかなか雇ってもらえないからです。
それから、奥さんも働きましょう。夫の扶養家族にならなくても良いので、103万円や130万円の壁など気にせず、大いに稼いで下さい。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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