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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの経営哲学から見た7つの習慣(2):概説③ (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの経営哲学から見た7つの習慣(2):概説③

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

14/11/12

① 京セラの経営哲学から見た7つの習慣:概説①   ② 概説② ③ 概説③

(1) はじめに
「京セラ哲学からみた7つの習慣」というテーマでお話ししておりますが、この「7つの習慣」というのは元々米国人のスティーブン・R・コヴィーが書いた本のタイトルで、アメリカにおけるビジネスや人生で成功するためには「7つの習慣」というのが大事であると言われています。この場合、その7つの習慣が、京セラ営哲学という東洋的な視点からみて、どれくらい当てはまるのかということを読み解いていきたいと思います。今日も概説の続きです。

(2) 正しい生き方と価値観
まず、「正しい生き方無しに、真のビジネスの成功とか人生の成功というのはありえない」ということです。それでは、「正しい生き方」というのはどうすれば良いのかという話になりますが、これを考える時、物を認識する「物の見方」、「価値観」が非常に重要になってきます。すなわち、自分の価値観が行動や考え方に非常に大きな影響を与えていると言えます。そこで、その見方を正しいものに変えていく必要があると考えられます。通常我々は自分の価値観で物事を考えて行動しているわけです。

(3)主観の世界と客観の世界
自分の過去の経験や親や友達からのアドバイス等といったものをベースとして、自分の思考の中で考えられているもので世界を見ている。それは、客観的に世界を正しく見ているかというと、残念ながら現実には客観的に見ておらず、主観の世界で見ていることがほとんどであると言えます。

(4)小我と大我
少し難しくなりますが、東洋的に言うと普通は、自己には自我という「我」があります。自我とか小我というような自分の感情感覚で感じられるままの我で世界を見ているわけです。それは当然なのですが、それを私利私欲・感情感覚等を入れないで、世界を正しく、客観的に見るためには、「無我」、「大我」にならなければいけません。このためには、「思考」、「見方」を変えていく必要があります。どのように見方を変えていくのかというのかというと、「パラダイムの転換」(見方、考え方、価値観の転換)が必要になります。

(5)価値観の転換
パラダイムの転換の例としては、例えば、昔地球の周りを太陽が回っている「天動説」が最初に説かれ、その後コペルニクスによって逆に地球が太陽の周りを回っているという「地動説」へ転換していきました。このように考え方の転換をする必要があり、その主観的な感情感覚で自分を中心として世の中を見る見方ではなく、自己の感情感覚を制御して客観的に見る見方が必要なのです。その場合、世の中では自分がこうやりたいと思っても相手がなかなか自分と同じように考えたり、行動してくれないということがありますが、そういう時苦痛が生じます。このような場合、どのようにしたら良いのでしょうか。

自分の都合で、世界を動かそうとする(「天動説」)のではなくて、客観的に一歩引いて見ることが非常に重要になります。多くの場合、他人というのは、自己と同様に、強い自我を持っているために、他人の説得では変わらないことが多くあります。そのため、喧嘩してみるとわかるように、何を言っても、言い返してきて、説得されません。

それぞれの価値観があり、それぞれの自我を持っているわけです。では相手が変わらなければどうすれば良いか。相手が変わらないなら自分から変わっていくということです。自分が変わると相手も変わります。こちらが怒ったりすると、相手も怒ったような返事が返ってくる。こちらが良いこと、何か優しい言葉などかけてやると相手もも優しくなる。それと同じように、自分が変わることによって相手が変わる(「地動説」)ということです。これをアメリカ的には「インサイド・アウト」(「内から外へ」、「自分から他人へ」)と呼びます。
このように考え方や価値観をどのように変えていくかというと、実はアメリカなどにおいて、第一次大戦後から現代まで、特に人間の品格・徳を重視する「人格主義」から個人の自由を重視する「個人主義」へということで、自我の確立や個性を重視するようになってきているのです。そうではなく、もう一度「人格主義」を重視する価値観に戻ろうとする。それが、ここでいう「パラダイムの転換」ということになります。

(6)人格主義と徳
現在のパラダイムというのは、「個人主義」という価値観で、個人、自我を中心として考え、行動しています。そうすると、自己(主張)を非常に重視しますので、このような考え方で様々な対立、紛争、社会・環境問題等が起こっているわけです。他方、「人格主義」というのは、日本語で説明すると「徳」と言えます。儒教の世界で「人徳」という言葉がありますが、仁義礼智信といった「徳」を身につけるということです。その中で、一番の根本は何かというと、この本では「良心」と言っています。
例えば、つまみ食いをすることでさえ、本心良心が働いて、「つまみ食いしては、ちょっとまずかったかな」などということが脳裏をよぎる。(感情感覚を制御して)この本心良心に従って全部の思考・行動をしよう。そしてこの本心良心に従うと、「誠実」であったり、「謙虚」であったり、「正義」を重視したりといった「性善説」に基づく心が本来の人間には備わっていることが理解できます。この本心良心は実は、(私利私欲・感情感覚にまみれた主観的な)「小我」を超えた(理性的で、公平で客観的な)「大我」の心なのです。この本心良心を基礎とした人格主義という価値観に従って行動していけば、ビジネスも人間関係も含めて幸福になれるということを本書で主張しているわけです。

(7) むすび
「ビジネスにおいても人生おいても正しい生き方無しには真の成功や幸福はありえない」ということで、自分の価値観は行動に大きな影響を与えますので、(感情感覚を基礎とした「個人主義」(「天動説」)ではなく)本心良心を基礎とした「人格主義」(「地動説」)という価値観に従って、ビジネスや人生を行うことが成功とか幸福の鍵であるということを自覚して、生活の中で血肉化していくことが、西洋東洋を問わず非常に重要であるということです。

〔参考〕スティーブン・コヴィー[2013]「7つの習慣」キングベアー社

分野: コーポレートガバナンス 会計 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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