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中国

村藤功 企業財務 M&A

14/10/31


今日は、最近の中国について話します。

習近平はこれまで、汚職の摘発や倹約令による官製需要減を進めてきました。そのために、高級な品物やサービスを扱う企業が赤字になっています。また、公務員や国有企業にファーストクラスやビジネスクラスの利用を禁止したために、飛行機会社も大変な事態に陥りました。白酒乾杯という、アルコール度50%の高くて美味しいお酒もなかなか飲まれなくなったため、その製造会社にも余波が及んでいます。さらには、公務員がビジネススクールへ通うことも禁じました。中国のビジネススクールは、これまで、税金で通う公務員がかなりいました。民間の人びとだけでやっていければよいのでしょうが、現状、厳しい状況下にあります。

一方で中国は、対外的には強い中国を世界へ見せようとしています。外交面においては、アメリカに対して権益を分け合うように迫ったり、ロシアからLNGガスを30年間で40兆円分買ったりと、大国外交を展開しています。日本もロシアのLNGガスを狙っていたのですが、すべてを中国に持って行かれた形です。ウクライナ問題でロシアと欧米が揉めていることが、こうした行動の背景にあります。すなわち中国は、ロシアの足元を見て、LNGガスを安く買い叩いたのです。

軍事面においては、軍事を強化して東シナ海で日本と対立したり、南シナ海でフィリピンやベトナムと争ったりと、様々な事態を生じさせています。中国は大国ですので、東シナ海や南シナ海において、フィリピンやベトナム、日本と局地戦を行うくらいならば構わないと考えています。そこでフィリピンは、自国だけでは中国に対抗できないため、アメリカ軍の再駐留を認めることにしました。

一方で経済面においては、2012年からは実質成長目標を7.5%とし、緩やかな成長を目指すようになってきました。物価については、安いものは安いのですが、高額な製品は中国で安く作れても本国よりも高くなっています。たとえば中国におけるBMWやアウディの価格は、ドイツでの購入価格よりも高額です。日本のレクサスについても同様です。中国人の金持ちの中には、金額が高くなければそれは高級品ではない、と考える人が結構います。そういう人たちに売るために、これらは高値で設定されているのです。近年では中国政府が独占法やカルテルを作り、外国企業から罰金を取り始めました。そのため、これまでの流れに変化が生じてきています。

また、中国の半導体業界はこれまで、韓国のサムソン辺りに後れをとってきました。ところが最近になって、中国のSMICという会社が、アメリカの半導体研究開発会社であるクアルコムから半導体生産を請け負うこととなり、スマホ用のLSI生産に参入し始めました。こうなると、もしかすればサムソンを超え、中国が半導体においても世界を制覇するかもわかりません。既に日本は韓国に倒されていますが、その覇権が今度は中国へ移る可能性があるのです。

中国では、中進国まで来たので先進国を目指すために自分で新しいものを作るという動きが出てきました。また、作りすぎた生産設備能力をある程度減らすということもやっています。特に、中堅・中小の鉄鋼、船舶、セメントにおいて、生産能力の削減、すなわち工場の閉鎖が、共産党政権の判断によって続いています。

今年の7月には、周永康前政治局常務委員が、「重大な規律違反」容疑で摘発、立件されました。常務委員とは、トップ7とも呼ばれる、中国で最も権力がある7人のうちの一人です。過去に常務委員を務めた人はこれを辞めてからも告発されない、という不文律がありました。しかし今回、ついにそれが破られたのです。このことは、中国の内部において大変な戦いが起こり始めたことを示唆します。周氏は、江沢民元国家主席にも近い人物でした。これから中国政府がどのように変化して行くのか、心配されます。

今日の話をまとめます。
中国は、東シナ海や南シナ海における動きで示されるように、アメリカに対して中国の大国化と権益を互いに分け合うことを認めるよう要求し始めました。一方で、経済面においては減速が見られます。こうした状況において習近平は、汚職を摘発したり、環境問題に対応したり、外資系企業に独禁法を適用したり、生産能力を削減したりと、構造改革を進めています。中国経済は、安定成長路線に入ったところです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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