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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イスラム国 (企業財務 M&A/村藤功)

イスラム国

村藤功 企業財務 M&A

14/10/20


今日は、イスラム国について話します。最近ではオバマ大統領が怒り、アメリカによる空爆がはじまっています。普段の日本人は中東での戦いを遠い国の出来事ととらえますが、ここのところ大きな騒ぎとなっていますので、どのような状況なのか振り返ってみましょう。

イスラム国が大きく報道されるようになった契機は、アメリカ人の二人の記者の首が切断されるという残虐な行為が報道されたことにあります。その後イスラム国はさらに、イギリス人の援助関係者デービッド・ヘインズさんの首を切断して殺害しました。またアルジェリアでは、イスラム国系武装組織によってフランス人が殺害されています。これらの映像がインターネット上で公開されたために、人びとの関心を大きく呼ぶことになりました。アメリカにおいては、イスラム国の行動に対して世論が怒っている以上、中間選挙を目前に控えたオバマ大統領は何がしかの行動を起こす必要に駆られました。

そもそもオバマ大統領は、アフガニスタンやイラクからアメリカ軍を撤退させようとしてきました。しかし今回はわりと積極的に、イラクとシリアの空爆に踏み切っています。現状、イスラム国はイラクとシリアの一部を支配しています。そこで、イラク政府からの要請とイラクにおけるアメリカ人保護のために、まずはイラクを空爆し始めました。一方でシリアにおいては、若干複雑な状況が見られます。もともとアメリカは、アラブの春の際にアサド政権がケミカル兵器を用いたとして、反アサド政権派を支持してきました。そのためアサド政権は、当初はアメリカに対して、シリアにおけるイスラム国への空爆をしないように求めていました。しかしアサド政権の能力だけではイスラム国を抑えられないために、「テロと戦ういかなる努力も支持する」として空爆を容認する姿勢を示しました。一方、ロシアや中国は、アサド政権に何かを頼まれていないにも関わらず、アメリカのシリア空爆に反対し、国連安全保障理事会の決議あるいはアサド政権からの依頼を取ってくるよう要求しました。こうした状況の中、アメリカはイスラム国をアルカイダ系のテロ組織であるとみなして、イラクに続いてシリアも空爆するようになっています。イギリスやフランスなどからなる有志連合も、シリア空爆への参加を申し出ています。周辺のアラブ諸国もまた、今回の件に関しては、アメリカの参加に賛成しています。サウジアラビアやヨルダン、UAE、バーレーン、カタールなどのスンニ派諸国は、過激派台頭を警戒しているので、アメリカのシリア空爆軍事作戦に一緒に参加しました。

ところがアメリカは、地上戦については、イラクではイラク政府軍に、シリアでは反シリア体制派の自由シリア軍に、それぞれ任せる方針でいます。アメリカが地上部隊を派遣しない以上、有志連合も地上戦を展開するつもりはありません。しかしながら、イラク政府軍や自由シリア軍には、イスラム国と対等に戦う能力がありません。イスラム国はイラクとシリアにまたがる大変な面積を支配しているので、地上戦を行わない限り、完全な掌握は難しいでしょう。このように、未だ事態が収まる気配がない状況です。

今日の話をまとめます。
イラクとシリアの一部地域を支配するイスラム国が、残虐行為を行っています。中間選挙を控えたアメリカは、世論に応え、イラクに続いてシリアを空爆しました。イギリスやフランスなどからなる有志連合も、これに参加しています。これまでと同様に、アメリカの行動に対してロシアや中国は文句を言っています。今回の戦いは空爆だけで終わるものではなく、地上戦の展開が必須です。しかしアメリカも有志連合も、地上部隊を派遣するつもりはありません。この戦いは、当分長引きそうです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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