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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コミュニケーションがうまい人とは? (戦略思考/荒木博行)

コミュニケーションがうまい人とは?

荒木博行 戦略思考

14/10/27


今日は、コミュニケーションがうまくなるために大切なこと、という点について、話を進めます。

私は、ビジネススクールで論理思考や頭の使い方、物事の伝え方を教えている関係上、「コミュニケーションがうまくいかない」という悩みを受講者からしばしば聞きます。そもそもコミュニケーションがうまい人とは、どういう人を指すのでしょうか。業界や立場によって善し悪しやスタイルの違いがあるために一概には言えないでしょうが、あえて申し上げれば、「具体と抽象の往復」がうまい人のことを意味するように思います。

具体的に考えていきましょう。コミュニケーションにおいては、いくつかのパターン化できる癖があります。
一つ目は、具体的なことばかり話してしまう癖です。たとえば部下指導においてありがちですが、「これがダメでこれがダメでこれがダメ」と、具体的な事象をとにかく指摘してしまいます。それはそれで正しいことではありますが、その項目が多いと、聞き手としても頭に入りづらくなります。ビジネススクールにおいても、発表をする際に細かい具体的な事象をひたすら述べていく人がみられます。具体的に話す、ということ自体はよいことなのですが、「要するに何だ」ということが残りにくい。この、「要するに何だ」という部分が「抽象化」というスキルであるのですが、そのスキルに欠けている、ということです。

二つ目はその逆で、抽象的なことばかりを話してしまう癖です。たとえば、「お前はこんなタイプだ」などと言ってくる人がいたとしましょう。しかしこの人はなんとなくこのように言ったものの、その具体的な理由を説明することができません。ビジネススクールの授業においても、ファクトの具体的な数字を上げることなく、ふわっとした発表をする人が見られます。概念的には分かりやすいのですが、具体的な話がないので、「それってたとえばどういうこと?」ということが伝わりにくい。こういう場合も多く見られます。

つまり、コミュニケーションにおいては、具体と抽象の「バランス」を意識することが肝要です。そこで、まずは自分が無意識にどちらの傾向を有しているかという点を客観的に意識することをおすすめします。
その結果、一つ目のパターンである具体論ばかり述べてしまう傾向がみられるのであれば、「つまり」や「要するに」というキーワードを常に頭の中に置いておくようにしましょう。これらを自分に問いかけることで、無理やり頭を抽象化へ持っていくのです。
他方、二つ目の抽象論が出てこないようであれば、「たとえば」というキーワードを口癖にすればよいでしょう。そうすれば、自分の思考を具体論に無理やり導くことができます。このように、自分の癖に気付いた上で自分に対するキーワードを意識することが、有効ではないかと考えます。

しかし、自分がどちらのパターンの癖を持っているか客観的に把握することは、結構難しいものです。そこで我々は、具体と抽象の行き来をストラクチャーで表すというトレーニングをやっています。このトレーニングは、具体的には「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれるものを作ることを通じて行います。最上段に、抽象的に自分が言いたいことを配置します。それを支える具体的なファクトを、その下に視覚化して書き入れます。このようにして自分が言いたいことのストラクチャーを意識していれば、シチュエーションや尺の長さ、相手によって、具体と抽象を往復して話の内容を変えることができるようになるのです。日頃から頭の中をきちんと整理しておくことが、すごく大事なのではないかと思います。

今日の話をまとめます。
コミュニケーションについて考える上では、「具体と抽象」が一つのキーワードとなります。まずは自分で、自分の会話の癖を把握しましょう。具体的に話す傾向が強い人であれば「つまり」や「要するに」というキーワードを、抽象的に話す傾向が強い人であれば「たとえば」というキーワードを、それぞれ頭の中に入れておきましょう。また、ピラミッドストラクチャーのように頭の中を構造化することで、具体と抽象が繋がっていきます。

分野: グロービス経営大学院 |スピーカー: 荒木博行

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