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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの経営哲学から見た7つの習慣:(1)概説1 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの経営哲学から見た7つの習慣:(1)概説1

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

14/10/08

京セラの経営哲学から見た7つの習慣(1):概説①

(1) はじめに
今回から「京セラ哲学から見た7つの習慣」ということについて、シリーズでお話します。
まず「7つの習慣」とは何なのかということですが、これは米国人のスティーブン・コヴィーが書いた「7つの習慣」でビジネスや人生を生きると成功しますよという成功の法則を説いたものです。成功する人は、必ずある一定の習慣を持っており、成功のための原理というのを習慣化しています。「習慣化」を別の言葉で言い換えると「血肉化する」ということです。習慣というのは「第二の天性」とも言われています。そのため、ビジネスでも人生でも成功したい場合には、まず成功・幸福になるための原則・法則があるということを知り、かつそれを具体的に身に付け、実行すれ(習慣化すれ)ばよいということを言っています。この著者は米国人なので、西洋的な考え方の代表として、この考え方を日本的な京セラ哲学から見て、どのくらい成功する人についての考え方が一致するのかしないのか、というのを見ていこうと考えています。ただ単にビジネス等で成功するための習慣の解説ではなく、東洋的なものから見て、西洋的なものと一致するのかしないか、を見ていきたいというのが主な狙いになります。

(2) 200年の米国の成功のエッセンス
さて、先ほどご説明しましたように、彼は米国人ですが、「ビジネスや人生で成功するためには、どういう習慣・原則というのがあるか」というのを、アメリカの歴史200年の中の様々な成功例を調べたわけです。そうして導き出された一定の法則が7つあったということです。このうち、大きく役に立ちそうなものは、最初の150年のものであり、最近50年のものはどちらかというとあまり成功の役に立たないということを言っています。何故かというと、最近のものは、「個人主義」に基づく非常にテクニック的なもので本質的なことを突いていないということでした。最近の個性の発揮というような考え方などといったテクニック的で表面的なものでは人間は成功もしないし、幸福にもなれないというところを言っています。すなわち、どちらかというと「7つの習慣」というのは「経営哲学」とか「人生哲学」といった経営をどのように行うのか、あるいは人生をどのような生き方で生きればよいのかということに非常に関連していると言えます。

(3) 人間の成長の状況と相互依存関係
次回以降詳しくご説明しますが、ビジネスを行う場合、次のような考え方が重要です。まず人間の状況ですが、第1段階として赤ん坊生まれた時には、「依存」の状態です。自分では何もできませんから周りの環境に依存するしかない。環境が良ければよく育ちますし、環境が悪ければ駄目になる場合も多いということです。つまり、環境次第であるということです。その依存状態から小学校から大学生になり、段々と第2段階として「自立」の状態を確立していきます。それから社会に出て自立し、社会とうまくやって成功していかなくてはなりません。それが第3段階としての「相互依存」の状態です。そこでは、自分だけはなく、相手や社会との関わりを通して、社会との相互依存関係を充実・発展させていくということが重要であるといっているわけです。

(4) 人格主義と自然の法則
7つの習慣というのはと、東洋的な考え方と基本的に同じなのですが、「自然の法則」に調和したものであると言っています。これはテクニック的なものではなく、東洋の例えば、儒教や仏教と同様に、物事の本質を自然の法則から見出してくるのです。そこから人生ではこうした方が良いという考え方を導き出しています。そこで一番重要なのは、「個人主義」に基づく単なるテクニックではなく、より基本的な「人格主義」である、といっているのです。今日では欧米を始めとして、日本でも個人主義により、個人の権利ばかり主張するような風潮になっています。これではなく、「人格主義」すなわち誠意や謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制というような、ちょっと古いような徳目を持っている人になることが大切であると考えるものです。そこでは、稲盛氏がいうように、「経営者は、信頼され、尊敬されるような人格を持っていることが重要でる」ということに相応し、非常に東洋思想に近い考え方になります。それゆえ、アメリカの200年の成功例を研究しているにも関わらず、根っこの部分では、非常に東洋思想に近いものがあり、成功するには東洋も西洋もないということが言えると思います。

(5) Win-Winとシナジー
結局、今環境が激変しており、リスクが非常に高い「リスク社会」と言われますが、このような環境が激変する中で、人間とか組織に変わらない「心の中心」、「北極星」みたいなものを持たないといけないということになります。それは何かというと、例えば、部分を見るのではなく全体を見るという「全体的視野」を持つとか、短期ではなく「長期思考」で見るとか、物とかお金ではなく「人間関係」を大切にするとかということです。このようなことによって最終的にお互いに持ちつ持たれつし、Win-Win関係を大切にして「シナジー(相乗効果)」を上げていくと、平和で豊かな幸福な社会になるということなのです。この考え方を東洋的にいえば伝統的な「三方良し」(売り手良し、買い手良し、社会良し)と言えます。その「三方良し」を京セラ哲学で言えば、利他行、自利利他なのです。あるいは別な表現すると「自他一如」の考え方で、相乗効果を発揮していくのが平和で幸福な社会を実現するというところに結び付くといっているわけです。

(6) むすび
今後は、「京セラ哲学から見た7つの習慣」というのをシリーズでお話ししていきますが、その「7つの習慣」というのは西洋的な成功のための習慣ではありますが、東洋的なものと非常に一致しているというところをお話しました。

〔参考〕スティーブン・コヴィー[2013]『7つの習慣』キングベアー社

分野: コーポレートガバナンス 会計 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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