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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの経営の原点十二か条(⑪思いやりの心で誠実に) (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの経営の原点十二か条(⑪思いやりの心で誠実に)

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

14/09/04

【テーマ:京セラの経営の十二か条 第11条:思いやりの心で誠実に経営する】
京セラの経営の原点十二か条  
第1条 こと業の目的、意義を明確にすること 第2条 具体的な目標を立てること
第3条 強烈な願望を心に抱くこと      第4条 誰にも負けない努力をすること
第5条 売り上げを最大に、経費を最小に   第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる       第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもってことに当たる      第10条 常に創造的な仕ことを行う
第11条 思いやりの心で誠実に経営する

1 はじめに
このシリーズでは、「京セラの経営の原点十二か条」についてお話してきましたが、今日は「第11条:思いやりの心で誠実に経営する」についてお話します。

2 思いやりの心で誠実に経営する
ここで、「思いやりの心」というのは、別の表現をすると「利他の心」と言えます。「他人のために何かを行う」というのが「利他の心」です。今回はこれに「誠実に」というのがついていますので、「他人を思いやりの心で誠実に経営を行っていく」というのがテーマになります。

3 誠実な経営と五常
皆さんもよくご存知の孔子の「儒教」には、君子が備えるべき5つの基本的な徳性として「五常」と呼ばれるものがあります。社長・政治家や先生などといった偉い方々は必ず備えておかなければならない5つの徳性があり、それが「仁・義・礼・智・信」だと言われています。「仁」は5つの中でも「最高の徳目」に当たる「人を思いやる、愛する心」です。例えば、キリスト教でいうと「愛」、仏教でいう「慈悲の心」にあたります。このキリスト教の「愛」、仏教の「慈悲」、儒教の(思いやりの心である)「仁」は、全世界において宗教に関係なく一番基本的なところとして共通していると言えます。そのため、こういう心を持って商売を行うと必ず相手にも通じると考えられます。
次に「義」ですが、これは「私利私欲にとらわれず、人間として正しいことをする」というものです。稲盛氏は、しばしばあることをするのに、自分の動機が正しいかどうかということを、「動機正なるや私心なかりしや」と問います。これが儒教でいうところの「義」となり、全ての判断をするのに「人間として正しいかどうか」を判断基準にしています。その他「礼」というものがありますが、これは「礼儀正しい」の「礼」で、「智」は「知識」を指します。「信」は「信頼・信用」になります。例えば「約束を守る」とか「誠実である」というのは「信」から出てきます。従ってここで述べている「思いやりのある心で誠実に」というのは、儒教でいう「仁・義・信」という五常うちの3つを表している言葉なのです。これは昔から日本人が行ってきた考え方であり、儒教、仏教や神道などが非常に盛んであった日本の徳目と一致するものだと言えます。

4 固定客を作ること
商売行う際には「固定客、リピーターを作れ」とよくいいます。リピーターのことを「信者」と呼んだりもしますが、「儲け」の漢字をよく見てみると「信者」の「信」と「者」を合わせて「儲け」になります。つまり「信者を増やす」こと、「自分に信頼関係をおいてくれる人」が長期的なリピーターになると考えられ、自分のファンを作り固定客、リピーターを増やすことが儲けに繋がると言えます。すなわち、「固定客(リピーター)=信者をつくる」ということなので、これは儒教や仏教などの教えと全く同じことが商売にも言えるということになります。

5 ビジネスの根本としての利他行
従って「相手のことを思って商売をやる」、「第一番に利他の心をもって商売をやる」ということが大事だと言えます。これを別の言葉で言いかえると「自利利他」になります。「他人を利すれば、結果として自分を利することになる」、要するに「他人に尽くしていれば、結果として自分に利になる」という意味です。それは現代の表現を借りると「Win-win関係」でしょうか。昔の言葉でいうと「三方良し」です。「売り手良し」、「買い手良し」、「社会良し」です。これらは、ビジネスの根本です。

6 ミニマム・トリプル・ボトムラインと持続的な発展
コーポレートガバナンスなどでよく使う言葉ですが、会社が持続的な発展をするためには「ミニマムトリプルボトムライン」、最小限の3つの要素をバランスよく維持していかなければいけないと言われます。3つの要素とは何かというと、「経済」と「社会」と「環境」です。すなわち、商売ですから「利益」、「経済」はもちろん、「社会」や「環境」のことまで考えていないと、長期的な持続的な会社というのはできないということです。

利益ばかり追求するのではなく、その会社が、その社会の中でどういうものを提供していて、どういう存在であるか、そしてその環境にとってどうであるかというのをやはりきちんと考えていかないと会社は存続できません。気候問題や環境汚染を考えてみても、3つをバランスよく考えることが重要であると言えます。単なる利益だけではなく、社会や環境についても考える、社会あるいは他人の為といったように自分や利益、経済だけではなく、他の人のことや地球環境のことについても考えて「利他の心」でビジネスをやっていくというのが、経営がうまくいく根本的なものだと考えられます。やはり経済ばかりでなく、社会や環境のことを考えると自然と利益もついてくるということなのではないでしょうか。

7 まとめ
今日の内容をまとめると、経営を行うには、「思いやりの心で誠実に」ということで儒教の教えである「五常」や仏教哲学で言う「慈悲の心」や「自利利他」の教えとぴったり一致しますということをお話しました。

〔参考〕曹岫雲『稲盛和夫の「成功の方程式」』サンマーク文庫

分野: コーポレートガバナンス 会計 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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