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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 志、どう抱くか① (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

志、どう抱くか①

田久保 善彦 リーダーシップ領域

14/09/16


前回まで二回にわたって、キャリアについて話をいたしました。キャリアを考える際には、自分はこれからどういうことをしたいのかという方向性を意識することが大事です。もちろん実際の自分の能力も重要ですが、それについては努力次第である程度開発できるものだと思います。自分の方向性が見えないと、どういう能力を開発すればよいのかもわかりません。グロービス経営大学院では、自分がこれから生きていく方向のことを「志」と呼んでいます。

志は、日本に昔からある言葉ということもあって、非常に高尚なものと思われる方もあるかもしれません。志ときくと、具体名としては坂本竜馬や松下幸之助、稲盛和夫を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。そうすると、「稲盛さんに比べると、自分なんて志と言えるようなものなどまったく持っていません」などと言ってしまいがちです。

坂本竜馬にしても松下幸之助にしても、志の重要性を説く一方で、それをどうやって発見すればよいのか、自分自身がどのようにして志を見つけたのかということについては、ほとんど言及しません。これから志を作ろうと思っている人からすれば、彼らとの間には結構なギャップがあるのです。そうしたギャップを埋めようと考えて、『志を育てる』(東洋経済新報社、2014年)という本を今年に入って出版しました。そこでは、坂本竜馬や松下幸之助は志有段者であって、志10級の人からすれば彼らのことはよくわからないこと、彼らにも志10級の時期があったであろうことについて、議論しました。たとえば竜馬は、もともとは土佐の浪人であって、江戸へ行くことを夢見ていました。最終的には大政奉還を目指していることからわかるように、その志はどんどんと変わっていきました。この本において私は、こうした志の変遷について、30名近い人びとに対してインタビューしました。その結果、「志が生まれ、育っていくプロセス」が明らかとなってきました。そもそも志とは、サイクルによって成り立っており、いつかは終わるものです。たとえば高校三年生の夏休みの甲子園の大会は、優勝してもしなくても、時期が来れば終わりです。どんなに一生懸命取り組んでいたものであったとしても、いつかは終わるというフェーズがくるわけです。終わったままぼーっとしていることもあるでしょうが、終わった後に次の目標を設定して、それに取り組み始める。こうして志のサイクルがぐるぐる回ることで、自分の人生が形成されて行くのです。

何かに取り組んでいて、それが終わりを迎えた際には、次は何をしようか自問自答してみてください。新しい目標を設定できれば、それに「小志」と名付けましょう。これの積み重なりによって「大志」、すなわち人生でやりたいことのイメージが形作られるのです。これまでの人生で一生懸命取り組んだことがあれば、たとえそれがお母さんにいやいや連れて行かれたプールやピアノといった習い事であったとしても、十分に志と言えるレベルのものです。こうして子供の頃に一生懸命頑張ったことを振り返れば、現在の自分が何かに熱中できていないと感じる方でも、それまでの人生で積み上げてきた小志が確実に存在することに気付かれるでしょう。その延長線上にある何かや、直近で一生懸命になることができた目標を思い出すことで、自分のこれからの方向性が見えやすくなるのではないでしょうか。

現状、何かにものすごく没頭できることがあれば、それを自分の志として大いに語っていただきたいです。それが終焉を迎えたならば、次の志を作って、あまり重たく考えることなく挑戦して行きましょう。こうすることで、自分の人生における志が積み上がっていきます。「自分は何を基軸に生きているんだろう」などと思い悩むよりも、もっと前向きにいろいろなことに取り組むことで、「今の私はこれを志に生きている」と叫んでいきましょう。こうしたマインドセットでいることが、自分のキャリアの道筋や向かう方向を考える際には非常に重要であると、私は考えています。

今日の話をまとめます。
現在一生懸命取り組んでいる事象に小志という名前を付けて、自分が今どんな志に生きているのかということを意識されてみてください。そしてそれが終わりを迎えたらば、次の志を作りに行く。そうした小さな志の積み重ねが自分の人生における大きな志になることをイメージしながら、キャリアとの関連性を探りつつ、人生について考えてみられてください。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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